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ブラックニッカ日々 2016-7-27

お昼から心斎橋で仕事。
お昼ご飯を食べてレポートする的な内容なので一食浮いて大変助かる。

寄り道せず直帰。
昨日届いた七尾旅人の「兵士A」を見る。
近い将来、戦後初の死者となる自衛官か国防軍兵士の「A」を七尾旅人自身が演じながら歌うというライブをDVD化した作品。
パッと見からして、迷彩服を着て、頭を短く刈ってっていう感じで、重々しいのだが、でも確かに明るさは少しもないけど、目をそむけたくなったり嫌な気持ちになったりするものでは全然ない。

七尾旅人のイタコっぷりがすごくて、幸い今はまだいないその「兵士A」を未来から呼び寄せようとする姿勢、なぜそこまでやんなきゃいけないの!?というぐらいの、そこへの身の投じ方から目が離せない。

目が離せないと言いつつ、途中気づいたらウトウトしていて、起きたらセミの声と歌声の中にいて夢のようだった。
「LOVE IN WARTIME」っていう歌がとても良い。
そこで一旦再生を中断。

カストリ出版の渡辺豪さんから買わせていただいた「紅燈の街区」という写真集が届く。
ふだん自分の使えるお金からすると結構する(といったって、5回ぐらい居酒屋で飲まずに外で飲めばいいぐらいの額だが)んだけど、これはもう全然高くない、いや安すぎるぐらいかもしれない。しっかりとした作りの本で、500ページぐらい、全獄の遊郭跡や鄙びた路地裏の景色が延々続く。
写真によっては昔の絵はがきみたいな色合いのエフェクトがかけられたりしていて、そんなこともあってか、めくってると時間感覚がやられて頭がグラグラしてくる。
本当にこんな風景あったんだろうか。

夕飯食べて少し仕事をして、「兵士A」の続きを見る。

これはしかし、今自分はすでにパッケージされた、約3時間あると知っているDVDを見ていて、レビューや予告などで内容を少しは事前に想像できているからいいが、その場でこれがいつどうやって終わるのか分からないままに見守っていた人はすごい体験をしたろうな。

今は「I’M WARBOT」という曲の途中で、七尾旅人が顔を黒く塗って、銃を持って歌っている。やばい。

長い棒でドラム缶を叩いている。

その音が反復されてトラックに混ざっている。

好きな子の家で「DVD見ようぜ」といって見るのがこのDVDだった場合、想像できない空気になると思うけど、このDVDを一緒に見れるような人と一緒にいたい。

今日友達とLINEで神奈川の事件の話をして、犯人にとってはあれが正義だったんろうかと、世の中からいらないものを省いていくような感覚だったんだろうか、みたいな話になって、その後、町山智浩のラジオを文字起こしした記事で、今やもうアメリカでは堂々と性差別とか人種差別の必要性を主張するような人々が現れはじめたというのを読み、しかもそういう人がただ、いきなりポンといるんじゃなくて、ネットとかつかって連帯し始めて、それこそ2ちゃんのユーザーが何かで炎上した人の住所をスピーディーに暴くように嫌な力を持ち始めていて、というそれを読んでうおお、なんなんだと思っていた。

ずっと前、宮城の鳴子温泉に行った時に、共同浴場でたっぷりした量の湯が樋から湯船に勢いよく流れ続けていて、それを見ながら、明日俺はここにいないけど、その時もこの湯が流れ続けていることを覚えていよう!絶対に!マジで絶対に!と強く念じたのだが、もちろんそんな風に思っても、あの湯の流れを感じることはできない。たまに思い出すけど。

今、1938追憶の兵士「えい」という歌を歌っている七尾旅人は、イタコ的世界に飛び込んで、まだいない兵士Aのことを完全に想像しようと思って、それは絶対もう、人間には無理なことなんだけど、それでも自分以外の人の一人一人にそれぞれ内面があるということを少しでも完全に近く感じ取るためにもがいているように見えた。

19人の人が死んだら「19人」というただの数になるけど、一人ずつに良いこと辛いことしょうもないこと、なぜか覚えてることすっかり忘れていることなどなどの膨大な蓄積があったのだ。と、書いていても完全にそう思えているのかわからない。当たり前のことなのに、すぐわからなくなる。

結局見始めたらやめられなくて4時半になってしまった。

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by chi-midoro | 2016-07-28 04:29 | 脱力
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