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ブラックニッカ日々 2017-01-07

断片的に変な夢をずっと見続ける。
今まで会った人が全員出てきた気がするほどだ。
途中の夢で、夢の中で夢だとわかっていて、今の自分ならなんでも分かるから聞いてみようということになって、自分で自分に対して「人生どうしたら落ち着いたものになるんでしょうか」と聞くと、生まれる前と死んだ後こそが安定で、生きてるという状態はそれだけで不安定なものなのだ、絶えず体は衰えにむかい、病気やケガが待ち構えている。安定が持続することなんか一瞬もないんだ、それが生きることだと心得なさい!と自分に教わり、なるほどーと思う。
そうかと思えば金髪美女10数名の性のプロ集団みたいなのに入門して、まず体に全部で18か所あるセイコマと呼ばれるツボのすべてで、繊細な感覚を感知できるようにならないとプロにはなれないと言われてトレーニングに励む、みたいな夢に移り変わり、大変疲れた。

喉がまだまだ痛い。
お昼は牛すき弁当。

16時半頃、荻窪に向かう。
ミヤマッチが仕切ってくれてなかよしグループとチミドロで新年会をしようということになっていた。みんなは平野君のおうちにお邪魔して赤ちゃんを見ているのだが、自分は間に合わず、ちょうどいいタイミングを待つべく、駅ビルで読書。

図書館で借りていた鎌田慧「自動車絶望工場」を読み終える。ハナイさんが教えてくれた本で、ルポライターの鎌田慧が1972年から半年、トヨタ自動車の工場で働いた記録に、その後、同僚や同じ工場で新たに働く人を取材した文章を加えた文庫本。

一見ゆっくりに見えるベルトコンベアーも、実際にその中に入って働いてみるとすごい速さで、入社当初はまったくスピードに追い付けない。左手と右手それぞれ一瞬で3つずつの部品を手に取らないといけなかったりする。考えただけで無理だ。ほぼ休憩なしで時間に追われるその感じ、ワンミスで指が潰れたり、死んでしまったりもする事故が起きる危険性。帰って寝てまた朝っていうだけの生活と、工場の発展に支えられているだけの町の殺伐とした雰囲気が心に残った。辛い。
メモしたおきたいとこ抜粋。
・武田さんに、仕事してる時何を考えてるの、と聞いたらかれはちょっとびっくりしたような顔をして、すぐ「時間のことだな」と答えた。
⇒時間のことしか考えられない気持ち、よくわかる
・浜田さんは、もう不要になったその鋳物の“枝”を大きなやっとこで摘んで、鉄のバスケットに放り込む、その繰り返しだ。動いているコンベアに入ってこの作業をするのだが、鋳物がまだ真っ赤に熱せられて来る時は火傷するほど熱く、冷えてくるときは震えるほど寒い、という。(中略)ぼくの仕事を見に来た時、かれは騒音の中でぼくの耳に口を近づけていった「ここは忙しいけど、温度が一定してるからいいですね」
⇒職場ごとに作業内容はまったく違い、みなそれぞれの環境が一番だと思うようにして、でも愚痴りながら頑張っている
・「従業員から女子の採用を強く要望されているが、限られた人員の中で、希望を満たすことは不可能である。また、勤務と家事の両立は困難と思われるので、後進に道を譲って欲しい」と、女子既婚者に理解を求めた
⇒この「後進に道を譲って欲しい」というのはいつも企業が使うロマンチックで卑怯な考え方っぽい
・「従来のひとり一台の習慣から抜け出して、ひとりで何台も機械を持つように、合理化を進めるためには、技術的なむずかしさもさることながら、作業者の慣習を打破することが、それにもましてむずかしいことがらでありました」
⇒鎌田さんはその「打破」が職人的熟練や思想の成熟から人間を切り離し、ただの部品みたいにしてしまうのだと思っている

本に出てくる、鎌田さんの同僚たちはみな仕事のキツさにやられながらも、印象としては従順で、とにかくやるしかないと思っている。お金をためて抜け出すんだ、と思っていて、環境を変えようとまで思っていなくて、会社がどんどんベルトのスピードをあげて生産台数を増やそうとするのに文句を言いつつも、仕方ないと思っているように思える。この従順さが、すごくよく分かる気がして、会社の中にいるとなんであんなに従順になってしまうものだろうか。明らかに変な慣習であろうと、それを当然のようにやっている20人ぐらいがいたら、それをおかしい!と叫ぶ勇気がなくなる。この従順さは絶対、戦争とも関係ある気がする。

というか、戦後の経済成長みたいなのはそのまま戦争に向かった従順さを産業に向けたものだったように感じた。良い時代みたいに言われるけど、良い時代だったんだろうか。本当に。

あと「作業者の慣習を打破する」のがその人から誇りを奪う、みたいに書かれていたのを読んで、誇りを奪う仕事とそうでない仕事があると思った。忌野清志郎が歌ってた「昼間のパパは光ってるー」っていう「パパの歌」を愛憎入り混じる気持ちでいつもよく思い出すのだが、仕事によって誇りを奪われているパパだっているだろう。日曜にゴロゴロしてるその姿こそがパパかもしれない。そっちの穏やかなパパの方がいいじゃないかと、その歌を子どものころに聞いてからたぶんずっと思ってた気がする。もちろん、誇りを奪わない、どころか誇りを与えてくれる仕事もたくさんあり、生き生きと仕事をしている人の姿が魅力的なのはわかる。そういう仕事ばかりだったらいいのにな。だから一概に仕事はクソだ!とか言う気はもちろんない。クソな仕事があるというだけだ。

で、もう一冊図書館で、石牟礼道子「苦海浄土」を借りていたのだが、これを期限内に読んで返すことはできなそうだと思い、駅ビルの本屋で買うことにした。あと、10ページぐらい立ち読みした島尾ミホの伝記「くるうひと」がすごく面白そうだったので買おうと思ったがこっちは分厚いので大阪に帰ってからにしよう。

時間となり、荻窪の、千夏さんおすすめの中華料理屋で、千夏さん、ミヤマッチ、トミータ、FJKさん、クスモ、イッチー、平野君、後藤君、筆頭さん、ジュンヤさん、エレナさん、ペロさんって感じの賑やかなメンバーで飲んだ。お店自体、美味しくてお店の方も気さくで仕事が嫌そうでなくて気持ち良く、酒も安くて最高であった。

21時ぐらいに出て、一旦半分ぐらいに減り、その後もう一軒。最後なぜかバッティングセンターに行って、ケガしたからバッティングセンターなんてしばらく行けないかと思っていたが案外全然影響なく打つことができて、楽しかった。

コンビニ前で延長戦ののち、終電で帰る。
神田から震えながら歩く。
カップ麺食べ、テープ起こしの作業なんとか終わらせる。
自分の作業スピードが遅すぎて、最終的には時給数百円の仕事になってしまったがなんとか完了。
すっきりした。



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by chi-midoro | 2017-01-08 15:47 | 脱力
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