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ブラックニッカ日々 2017-01-09

朝起きて仕事。
昼過ぎまでがんばってだいぶ片付いた。

昨夜ツイッターみたら東京に来るたびにずっと行きたいと思っていた西新井の富士丸っていうラーメン屋が、普段は夕方から夜までの営業なのが、今日は祝日ゆえ特別に昼営業しているという情報があった。ちょうどいいやと思い行ってみることにする。

人形町から日比谷線に乗り入れてる東武動物公園行きの電車に乗ったら乗り換えなしで行ける。今日は成人の日。振袖姿がまばゆい女性たちの姿も電車の中にあった。

そもそも、なんでその西新井の富士丸っていう店に行きたかったというと、3年半ぐらい前まで東京に住んでいた時、千川という町に住んでいたのだが、隣町の要町にその富士丸の板橋南町店っていう支店があって、そこが好きで月1回ぐらい行っていた。それが自分が引っ越すちょっと前に突如閉店してしまって、寂しかったけど「ああ、これでもうこの町に思い残すことはない」と思って大阪に行って、でもいつもあのラーメンがまた食べたいと思ってはいた。

その要町の富士丸の店長はちょっと体育会系の、格闘技が好きそうな日焼けした人で、通ううちにだんだんとその人が麺の茹で加減を見る仕草とかが好きになっていって、特にしゃべったことはないけど、心の中で「あの店長」と思っていた人だったので、突然店を閉めてその後どうしたんだろうなーと思っていたけど、それからどうしたという消息も分からずにいたのだが、ふとちょっと前にまた思い出してネットで検索したら、その店長が富士丸の西新井店の店長になったらしいという情報にたどりついた。

あ、というか、さらにその前提として、富士丸というラーメン店は、ラーメン二郎で修業した人が始めた亜流店で、当初は二郎の「二」を丸で囲んだ「マルジ」っていう名前でやっていた店で、赤羽とか西新井とか王子とか何店舗かあって、その後、二郎側に怒られたとかで店名を「富士丸」と変えた店で、ただでさえジャンクなイメージのある二郎のラーメンをもっと尖った方向に進めたような、しょっぱくて見た目も汚くて、とにかくモリモリのボリュームで、みたいな、気軽に「いこうぜ!」と誘えるような店じゃ全然ない。

自分は、同じ会社に勤めていた現チミドロメンバーのハナイさんに教わって行くようになり、量が多すぎて食べきれなかったり、食べた後は必ずお腹壊して痛い目みたりしながらも、その強烈な「俺今ラーメン食ってる感」に魅了されて、定期的に行きたくなって、通っていた。ちなみにその頃のハナイさんはすごくて、割と規模の大きな会社に勤めていたのだが、その大きな会社の、いかにも頭が切れそうで育ちが良さそうな社長をその富士丸に連れていったりしてて、よくあんなヤバいラーメンを社長に食べさせたなあー!と今でも信じられないぐらいなのである。

とまあ、そんな思い出の店で、ラーメン二郎を食べに行っても、「いや、これは美味しいけど、富士丸のあのヤバさとはまた違う」とかいって物足りなく思っていて、大阪で食べられる二郎系なんかだと、さらにさらに遠い感触のものしかないので、いつかまた食べれたらなーとぼんやり思っていたものであった。

そういうところに、あの店の店長が西新井店で今がんばってるという情報が入ってきて、またとないタイミングだと感じて行くことにしたわけであった。西新井駅から西新井大師駅方面へ歩く。10分ぐらい。ついこの前、チミドロドライブで来た西新井だったので、また来たよと思って笑えた。天気がよく気持ち良い。

店が見えて、入ったら14時頃だったので並んだりはしてなくてすんなり入れた。ラーメン850円。食券渡す時は、いつもそうしていた通り「麺半分で!」とお願いする。そのままだと多すぎて。

厨房には本当にあの要町の店長がいて、あの頃のマッチョな印象から比べるとだいぶ落ち着いたような、少し痩せたような気もする印象。懐かしいなーと思ってジロジロ見てしまう。そしたら、急にその店長が「またこれからよろしくお願いします!」と言ってきた。最初自分が言われたのか分からなかったが、どうやら自分への言葉みたいで、慌てて「あ、はい」と言う。さらに「今もあの辺にお住まいなんですか?」と聞かれ、あら、どうやら覚えていてくれたようだ、と思って改めて驚く。前述のとおり自分は数年前に通っていた頃は店長としゃべったことなどなく、今こうして話すのが初めてぐらいなのである。

「いや、今は大阪に引っ越しまして、きょう久々に…」と答え、「遠くからありがとうございます!」とか言われてなんとも妙な気持ち。東京にきて、ひとりで電車で西新井までやってきて、歩いてきた先に自分を覚えてくれている人がいるなんて、なんか不思議な気分だ。

とにかくそして、ラーメンが出てきて、要町の店とは少し違うところもあるんだけど、相変わらず食べてる途中から謎の動悸が止まらない化学調味料の量で、味も濃くて、油の層も分厚く、こんなの頻繁に食ってたら絶対死ぬ!と思う味なのだが、すでにこうして今思い出していてすでにまた食べたいような旨さ。なんとかギリギリ食べきった。

「また来ますー!」と言って店を出る。とにかくあの店長が生きていて、またラーメンを作っていてなんかうれしかった。

腹の中に岩が入ったような満腹感を抱えつつそろそろと歩いて引き返す。西新井駅からジャニスにCDを返しに行くべく神保町へ。電車の中で熟睡。

ジャニスではまた色々CDを借り、1泊2日にして明日また返しにくることにする。東京堂で立ち読み。ユリイカのみうらじゅん特集、ボブディランの特集ムックの保坂×湯浅対談、荒木一郎の自伝本(面白そうだったので買いたい)などを読んで疲れたところで帰宅。

少し仕事して、石牟礼道子「苦海浄土」を読む。今まで、石牟礼っていう苗字とタイトルの硬さからなんとなく厄介そう!と思って読まずにいたけど、この前読んだ高橋源一郎の「非常時のことば」に抜粋されていて、それがきっかけで買ってみて、本当によかった。特に「ゆき」という患者が、また生まれ変わって海で漁をしたいと語る部分は、叫びたくなるようなすごい文章で、ここにも「この世界の片隅に」がある、と思った(語り部分がのんちゃんの声で再生された)。

こんな本を前にどう思ったらいいのか全然わからない。ただただ悲しくて、でもこの本が書かれたことがありがたくて仕方ない。読めて良かった。読まずに人生が過ぎていかなくてよかった。

読みながら、ジャニスで借りてきた山本精一のカバー集の「オーブル街」を聴いてたら気持ちが落ち込みまくって、もうだめだと思ったところに、ハセガワさんが仕事終わって飲めそうだとのことで、勝どき駅へ向かう。

駅前の中華屋で飲む。話せて気持ちが軽くなった。色々おみやげなどいただく。
築地まで飲みながら歩いて日比谷線で帰る。

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by chi-midoro | 2017-01-10 01:39 | 脱力
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