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ブラックニッカ日々 2017-02-05

昼起きる。
夢の中ですごくひどいことが立て続けに起きて、もう死ぬしかないと思って死のうとする夢だった。
そんな夢をみて起きたせいか、一日落ち込んだ気分が続いた。

夕飯は自分で作った麺のラーメンにしたいと思った。
なので強力粉をこねる。

時おり雨が降るような天気で、
外に出ず、横になって小津安二郎の「秋刀魚の味」を見る。
岩下志麻、美人だ。
これまで見た小津安二郎の映画の中では不幸の影が薄い方で、
ただ、娘役の岩下志麻が本当に好きだった相手とは結婚できず、
親に進められたお見合い相手と結婚して、
それまで住んでいた父と弟のいる実家を出ていって、
残された父(笠智衆)が寂しそうにしていて、
誰もいなくなった岩下志麻の部屋が映って、そこが悲しい。

あとは笠智衆の先生だったヒョータンっていうあだ名の人がいまはラーメン屋(チャンソバ屋って呼ばれてる。チャンが中国の意味みたい。今ならひょっとして使っちゃいけない言葉か)をやっていて、その娘が杉村春子で、その家がすごく寂しげで、それは不幸な感じだった。杉村春子もいつものちょっと笑える嫌な奴じゃなく、もう本当に不幸そのものみたいな。

それ以外は、みんなずっと酒飲んでタバコ吸って、それぞれ憎めない人物たちで、見ていて辛くなかった。
あとそれはこの映画に限らずだけど、笠智衆が酔ってる演技が面白い。
ロボットみたいにガクガク歩いているのを見ていると笑ってしまう。

そのまま続けて小津安二郎の「お茶漬けの味」を見て、
そっちはお見合い結婚で夫に愛情を持てず、夫がご飯に味噌汁かけて食べるのにたまらなく嫌悪感を覚えたりする妻と、
その女友達たちみたいな話で、その妻が本当に夫に対して意地悪で、思わず「おい!なんだよお前!」とかテレビに向かってしゃべってしまうほどだった。またも意地悪な映画だ。

笠智衆がパチンコ屋の店主として出てきて、いつもと違ってちょっと押しの強い役で、酔っていきなり軍歌を歌ったりする。その歌がすごい上手だった。

夫が海外に赴任する時も見送りに来ない妻だったが、夫が飛行機の故障でふいに帰宅して、その夜なんとなく二人が和解する。そして一緒に茶漬けを食べる。そういう展開だったので、最後は気分よかった。

小津安二郎を立て続けに見てたらだんだん自分も笠智衆みたいなしゃべり方になってきた。
「そうか…そういうもんかにぃ」とゆっくり言う。

小津安二郎の映画の中では、客が大抵店員に対して横柄で、「女はとっとと結婚するもの」みたいな男女の不平等も強くあり、そういう時代的な堅苦しさがあり、映る東京の風景ももうもうと煙を吐く工場の煙突、みたいなのが多くて、書けば書くほど抜けのいい空気感じゃないんだけど、なんかついついまた見たくなってしまう。しょうもないことで争ったり悩んだりしている小人物ばかり出てくるんだけど、しかもみんな棒読みみたいなセリフでわざとらしい演技で、全然自然じゃないんだけど、なぜかその人物たちがとにかく必死に思い悩んだりしながら生きてる感じは強く伝わってくる。

映画を見ている時も、たまにふふっと笑うぐらいで、泣くほど感情が揺さぶられるでもないんだけど、ただぼーっと見飽きない景色を眺めているような、そんな感じの気分が続く。

映画が終わって、創味シャンタンとかあごだしでスープを作って、製麺機で生地を麺にしたのを茹でて食べた。
うまいラーメン屋ほどは全然美味しくないが、そういう方向性とは違ううまさがあるように思う。

なんだかんだ細かい仕事をしていたら遅くなった。
いてもいなくても同じような、心細い気持ちだ。

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by chi-midoro | 2017-02-06 03:29 | 脱力
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