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ブラックニッカ日々 2017-03-09

10時ごろ起きてすぐ仕事。
取材依頼のメールをたくさん送ったりしてあっという間に時間が経つ。

昼過ぎに身支度を整え、地下鉄で日本橋へ。
取材に行く前にラーメンをと思い。
「マッチョ」で二郎みたいなラーメン食べる。

そのまま西大橋まで歩いて取材を終え、
天神橋筋六丁目まで戻る。
天満の商店街を歩き回るっていう企画の取材のつまりだったが思ったより面白くならず、
考え直さなければならない。

ちょっと落ち込んで帰宅。

坂口恭平「現実宿り」をやっと読み終えた。
筋をたどっていくような読み方ができない本で、断片が錯綜する感じなんだけど、意味は取れなくても面白い。
「砂」が語ったりするのだが、砂だから集合体でもあり、一粒一粒でもある、みたいな、そういう、自我が偏在しているみたいな描写がたくさん出てくる。
鳥に食べられた蜘蛛がいて、一部は鳥の目になり、一部は消化されつつあって、そのどっちもが分かるし、どっちも自分である。みたいなことが書かれている。
自分があらゆるところにいる感じ、死んで粉々になって自分が拡散していく感じ、が、読んでいるとすごくあり得ることに感じる。
死んで形は変わっても当然消えることはない、みたいな気がし始める。むしろ俺はなんでこの体に閉じ込められて存在しているのか、わからなくなってくる。

人間以外の生き物も、絶対に人間には思いもよらないやり方で思考しているんだろうし、砂だって風だって、生命じゃないとも限らない。
俺は俺、命は有限、男はこう、女はこう、人間はこう、他の動物はこう、みたいな固まり切った前提が全部あやふやになってくるような小説だった。すげえ。なんなんだこれ。

いつからか夜景のポストカードを集めていて、それは日本のでも外国のでも古いのでも新しいのでもいい。とにかく集めてファイルに入れて、ダーッとみたら、そんなことは現実にはないけど、自分が一つの夜の間にあらゆる場所にいるような気がして、そんなことができたら最高なのになと思う。パリの路地裏で月を見上げて、同時刻に熱海のスナック街を歩いてもいる、とか。
その物理的にはあり得ない、どこにでもいる感じ、が、当たり前のように存在している本だった。

確定申告が不安で仕方なく、やる。
「freee」っていうフリーソフトを使って、嫌になる量のレシートを入力していく。
自分のどうしようもない買い物や、ああ、この時の取材大変だったなあ、とか思い出したり、悲しい思い出なんかも引き摺り出されてきて、泣きたくなる。

by chi-midoro | 2017-03-10 02:30 | 脱力
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