<< ブラックニッカ日々 2017-... ブラックニッカ日々 2017-... >>

ブラックニッカ日々 2017-05-29

昼は両親と生駒軒でタンメン。
ああ、うまい。

昨日からずっと探してる「BEEK」、松陰神社前のnostosという本屋さんに問い合わせたら「まだあります!」とのこと。
渋谷まで地下鉄で行き、そこからバスで向かう。
無事、あと1冊だけあってもらうことができた。
長野で作ってる「鶴と亀」というフリーペーパーとのコラボ号で、やたらたくさん老人の写真が載っていて最高なのだ。
最近、どこに出かけても各県のPRフリーペーパーみたいなものが大抵あって、
しかもどれも良い感じの写真でおしゃれなレイアウトに作られており、あればもらうようにしている。
どれも一緒といえば一緒なのだが、こんないい造りの冊子がタダ!?と、どうしてももらいたくなる。

そんな中で「鶴と亀」は老人をテーマに絞っているところが他と違い、
今回の「BEEK」も雀荘で麻雀してる老人や、銭湯に入っている老人の写真など、味があった。
stillichimiyaも出てくる。

で、渋谷に引き返し、昨日チケットを買った「ソール・ライター展」を見に行く。
ソールライターのことは全然知らなかった。2013年まで生きていたニューヨークの写真家で、
1950年代にファッション誌のカメラマンとして活躍した一時期をのぞいてはメインストリームから外れ、
というか隠遁しながら好きなことだけして暮らしていたようだ。
1990年代末になって、未現像のフイルムが部屋から見つかり、現像してみたら、
1950年頃にファッション誌の仕事とは別に趣味で撮っていたカラフルなスナップ写真で、
それがすげーいい!ということになり、徐々に再評価されていったけど、
とはいえ必ずしも成功した写真家とは言えない人らしかった。
その人はどうも、ぼんやりした写真ばかり(例えば水滴のついた冬のガラス窓とか)好きで撮っているようで、
それは好きかもしれないなと思って見に来た。

ファッション誌で活躍していた頃も、他のカメラマンがバチッと構図を決めて撮るかっこいい写真とは違って、
ピンボケや映りこみ、画面の中に邪魔なものが入ってる、みたいな素人がふっと撮ったみたいな写真ばかり撮っていて、
それが「逆におしゃれ!」みたいに、当時はなっていたようだった。
確かにそれがおしゃれ。

でも本人は商業写真じゃなく、どんどん、作為の無い、なんでもないものに惹かれ、
ドロップアウトしていったようであった。
ソールライターの写真にはもう分かりやすいぐらい、不確定な要素を取り込もうという姿勢があふれていて、
例えば窓ガラスごしに風景を撮るとして、向こうの景色も映るけどガラスに反射した室内も同時に映って、
何がなんだか分からないみたいな、そういうのを繰り返し撮っている。
全体を見ていて、たまにあまりにあえて無作為をやろうとしすぎたり、「逆におしゃれ」度が高すぎるものも
無いではなかったけど、好きな写真がたくさんあった。

というか、こういう写真展、美術展みたいなのに来たら大抵思うけど、
この会場に見に来ているめちゃくちゃオシャレで可愛い女性たちは一体普段どこで何をしているのか。

展示ってだいたい、同じペースですーっと各作品を見ていって、前の人を追い抜かすのも野暮みたいな感じで、
なんとなく前後にずっと一緒に移動している人たちの一群、みたいな感じの人々がいることになると思うのだけど、
ソールライター展では、その中に、もう完全にこれは運命の人としか思えないぐらい好きな感じの人がいて、
格好から横顔からとにかく可愛いらしく、途中からそっちばかり気になって仕方ない。

ソールライターの代表作とされるらしい、「天蓋」という題名の写真があって、
それが、縦長の写真の上から5分の4ぐらい全部、どこかの店の軒先の庇が映っていて真っ黒。
下の方からわずかに町の風景を見えてる、みたいな作品なのだが、
その真っ黒い庇の部分にその女の人の顔が反射して映って、
その瞬間で、ああ、これが自分の人生に与えられた幸福というものなのだろう、と思って、満足した。
ソールライターも「わかるわ!その感じ!」と言ってくれそうな気がした。

展示の最後にソールライターが恋人の裸を撮った写真がいくつかあり、
それがどれもあえて盗撮っぽいぼやーっとした撮り方をしていて、
それがアウトサイダー写真家老人のティッシーの写真にもすごい似ていて素晴らしかった。
なので写真集を買うことにした。
写真集を買うとランダムでポストカードが一枚もらえるのだが、
袋を開けてみると「天蓋」だった。

良い気分になって外に出て、こまんたれ部さんが「渋谷にいるならこうの史代原画展もありますよ」と教えてくれたその、
こうの史代「この世界の片隅に」原画展を見に、タワーレコードに行く。
こうのさん(こうの史代はなぜかこうのさん、と呼びたくなる)の絵が俺は大好きかっていうとそうでもないのかもしれないけど、
なんせ、描きたいものをどう描くか、すごく苦闘しているような、
「はいはい、こういう風に線を引けばみんなが好きな感じの、幼い顔でグラマラスな女性が描けます」みたいなテクニックとは全く違う、その都度挑む!みたいな感じがあって、それが面白い。原画でみる意味がある絵かもしれない。

特にこの世界の片隅にの、最後の方、時限爆弾が爆発し、右腕を失ったすずの世界を実際にこうのさんが左手で描いてるみたいな、そういう実験とか、人物の後姿を細かく修正してる跡とか、グッとくるものがあった。

渋谷駅まで戻るついでに「BEEK」の配布場所一覧に載っていたヒカリエの8階のギャラリーに寄ってみたらたくさん置かれていたので、メテオさんに渡すために1冊もらっておく。

で、そこから中野に向かい、今日飲みましょうという話になっていたこまんたれ部さんと合流し、ブロードウェイの「墓場の画廊」でやっている「日ペンの美子ちゃん原画展」を見に行く。
1970年代に掲載されていた初代の絵から服部昇大さんが6代目として描いてる最新の絵まで原画が何点か展示してある。
当然だが時代ごとに絵柄の変遷があり、自分としては4代目のまつもとみな、5代目のひろかずみっていう人の絵が懐かしい。でもどれもマンガの内容は結構シンプルで、服部さんの代になっていきなり面白い。

タコシェで調子に乗って「架空」の15号や、ジョージ秋山の「海人ゴンズイ」や、いつの間にか出ていたpanpanya「動物たち」を買ったらお金が無くなった。
合流してくれたbutajiさんと三人で、とにかく安い飲み屋を探し横丁を歩き、「魚屋よ蔵」という立ち飲みで乾杯。
その後、前から気になっていた「独特中華ヤマト」で野菜タンメンを食べ”1日2タンメン”達成。
新井薬師公園へと移動しベンチで一休みしたりしていると、butajiさんがハナイさんにLINEで中野のおすすめ店を聞いたようで、
すぐ近くの「豪」という店に。そしたらハナイさんの友達のお松さんが飲んでた。

さらにメテオさんも合流することになり、隣の店に移動。
あれこれ楽しく話す。
そうこうしているうちに終電が近くなり、みんなで駅に向かいながら飲む。
賑やかな夜となった。

[PR]
by chi-midoro | 2017-05-30 13:12 | 脱力
<< ブラックニッカ日々 2017-... ブラックニッカ日々 2017-... >>