朝から心斎橋で取材。 どんな人でも10分で眠らせられるという触れ込みの施設で、 良い環境で仮眠をとれるスペースなのかと思っていたが、 直前に色々調べていて、ヘッドスパの店だと知った。 開店前の店内で施術してもらう。 頭、顔、首回りぐらいまでゆっくり指圧していく感じ。 寝不足だったのですぐ寝てしまうかと思ったが、 後でレポートしなければと思いなんとか起きていた。 でも夢も見たような気がする。 とにかくすごい数の人がキャンセル待ちをしているようなお店だそうで、なんだか得した気分であった。 その後、梅田に戻って庄内駅へ、 豊南市場という市場を散策する。 こんなところが近くにあったらなーと思う良い町。 朝は料理人たちが殺到してピリピリしたムードらしいが、 昼過ぎだということもあり、主婦の方々が晩ごはんの食材を買いにくるような感じ。 スーパーで売っているものよりも商品が画一的でなく (珍しい野菜売ってたり、ホルモンがすごい充実してたり)、 自分はこういうのを使いこなせないけど、毎日のようにここに通えば、 どんな季節にどんなものが旬なのか、とか、自然に身についていくんだろう。 その時々の食材で色んなご飯をテーブルに並べられるような人が改めて本当にすごいと思う。 帰宅後、なんとなく借りてきていた田原総一朗の「あらかじめ失われた恋人たちよ」を見る。 バンドの「あらかじめ決められた恋人たちへ」の名前の元ネタで、 元ネタにするぐらいだからすごい映画なのかもなと思って借りた。 ATGの映画で、とにかく前衛的なものを作ろうという気概がみなぎっている。 成毛滋が手掛けたという音楽がかっこいい。 70年代の日本のロック特有のちょっとモコモコした音質が良い。 それにしてもとにかく難解というか、わざとそうしてる感がすごくて、 これはどういう意味だろうと思って見るのも疲れるので、 もうとにかく斬新なシーンが何秒か撮れれば良いと思てやっていたんだろうな、と思いながら、 写真集を見ているような気持ちで何も思わずに見た。 子猫の死体が出てきて、それは田原総一朗が「どうしても必要だ!」と言うけど、 ちょうどよくそんなものが見つかるわけもなく、桃井かおりの恋人として出てる加納典明がそこらへんで捕まえてきた猫を 海で殺したんだという。 しかし、これも”斬新さ”のレースに必要であっただけで、ストーリー的な必然性ももちろんないし、 別に全然出てこなくていいのである。 それでもいかにも重々しく「この映画には子猫の死体が必要だ!」と田原総一朗は言ったんだろうし、 現場の人もそんなムードに押されたんだろう。 その感じ、特典の田原総一朗インタビューのインタビュアーが「観念に逃げることができた時代だった」というようなことを言っていたのだが、観念的であればあるほどクールみたいな時代だったんだろう。 めんどくせえ。 とにかくめんどくせーという印象だったが、石橋蓮司がスマートなスタイルで、素朴で可愛らしい感じもあってそれに映画全体が相当救われている気がした。石橋蓮司が、車のドアに外から掴まって走りながらわざと足を片方浮かせたり、危険な動きをするところや、最後の方に砂浜で車がドリフトしてきてギリギリ主人公たちをかわすところなど、全部子猫の死体と同じく必要ないのだが、本人たちは「これじゃなきゃだめだ!」「死んだっていいんだ!」と思ってその時はおそらくやっていたんだろう。撮影中、偶然近くで水死体が上がったと聞き、急いでそれを撮りに行った、警察が死体を囲んでぼーっと立っているまわりを登場人物が歩き、それもそのまま映画に取り込まれている。 こういうことが映画の枠をどれだけ広げたとか、芸術を前に進めたのか分からないが、とにかく今はこんな感じは全然良いと思えないのであった。 変な時間に余計なカップ麺を「これは余計だなー」と感じながら食べて寝る。
by chi-midoro
| 2017-10-22 01:36
| 脱力
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