朝から取材で梅田に出る。
ビュッフェで出されている珍しいスイーツを食べるという取材。20分ぐらいで終わる。 そのまま駅前ビルの「肉太郎」というラーメン屋でタンメンを食べる。 ここも大阪では珍しい野菜たっぷりなタンメンの店。面白いのは味付けが結構濃い目で背脂も浮いていて、俺の好きなタンメンの、一口目は味がしないぐらいのじわじわ系とは対極の味であった。でもこれはこれで美味しい。タンメンで麺の替え玉してるサラリーマンがいて、それがこの店のタンメンの需要のされ方を物語っているように感じた。 お腹いっぱいになって帰宅し昼寝。 横になって「ニーチェの馬」という映画をみる。つげ義春が数年前のインタビューでこの映画を見たと言っていて、気になっていたが、何度か手に取っては面倒くさそうな映画だなと思ってやめてきた。それをいよいよ見た。 ニーチェは直接は映画に関係なくて、ニーチェがある日、老いた馬が鞭うたれてるのを見て卒倒してそれ以来精神に異常を来したまま死んだっていうエピソードにインスパイアされた映画だという。でもそこはまったく抜きにして見ても良いんじゃないかという感じだった。 しかし…この映画やばい! 暗くて重くて救いもなく、あまりにあんまりで笑えてくる。老いた父と痩せた娘とくたびれた馬が何もないガランとした家に住んでいるのだが、父と娘がほとんど会話もせず黙って暮らしていて、昼か夕方かになると決まって茹でたイモを食う。皿に一個乗せたのを手で皮をむいて少し塩つけて食べてるその様子が、こんなに楽しくなさそうな食事シーンは見たことがないほどであった。しかも、結構まだあるのに残したりする。そしてまた無言の時間が流れる。というな流れがめちゃくちゃ時間をかけてゆっくり映されてて、眠くなるところも多々ある。そんな日々が繰り返されるんだけど少しずつ変調していくミニマル作品。この重たさが執拗すぎて面白い気もする。 家の外はとにかく異常に風が吹き荒れていて収まらず、それが原因なのかどうやら近くの町も壊滅してしまったらしく、馬は突然何も食べなくなって言うことを聞かなくなり、流れ者が家の井戸の水を勝手に飲んで行ったと思ったらなぜか急に井戸が枯れ…って書いていくと結構色々なことが起きてるなと思うが、ほぼ何の説明もないままに全部黙々と進んでいく。最後は暴風が止んだと同時に世界が真っ暗闇になって、火もつかなくなって、生のイモをガリっとかじってやっぱりやめるところで終わる。 父親の顔が強烈で、風にめちゃくちゃに拭かれながら歩いている姿がすごくかっこいい。「ゲンセンカン主人」の最後みたいに見えもした。 見終わって監督のタル・ベーラのインタビューを読む。これも面白い。 「毎日、我々はルーティンを生きている、でもそれは毎日厳密に同じかというと実は違う、日々人生というものは短くなっていくからです。人生は弱まっていく、個々のエネルギーというものも段々と失われていく、だから日々のルーティンをこの映画では見せているんだけれども、実は段々と弱まっている、あるいは少しずつ、実は変わってきているんだというのを、カメラポジションを変えることによって、また違うアングルから写すことによって、そしてリズムを変えることによって見せています。ですから時間経過をそれによって感じられると思うんですね、あるいは何か日々失われていくんだという感覚が多分伝わるのではないかという、そういう意図です」 まさにこんな感じの映画だった。あ、でもなぜかあんなまずそうなイモ食うシーンでも見てたらイモを食いたくなったし、親子で果実酒みたいなのを毎朝クイッと飲んでるんだけど、それを見てると酒が飲みたくなった。なんかそそられるというか。あと、あっつあつのイモをかたくなに手で食べるあのシーンだけは誰かと一緒にまた見たいと思った。 夜、最近ずっともんじゃ焼き食べたい気分がうすぼんやり続いていて、ようやく食べた。適当にやった割りにちゃんともんじゃ焼きの味になり、おこげもうまくて嬉しかった。簡単に作れる。 原稿書くのをサボっていたので追い込まれてきた。とりあえず1個終わったのでもう1個か2個はこれから頑張りたい。 追記:その後、もう1個終わったけどそこで力尽きた。
by chi-midoro
| 2016-06-14 23:41
| 脱力
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