昼になって武蔵小杉へ向かう。
今日は内田るんさん、butajiさんと三人で川崎市民ミュージアムで映画を見る約束。 それにしても東京に来てから交通費だけで5千円ぐらい使ってるような気がする。 大阪にいるとそもそもあっちこっち行かない上、移動したとしてもチャリがメインで、電車に乗るのは仕事の時ぐらいなのだが、この、友達に会いに行くのに30分ぐらいかけて電車に乗って行く感じが好きである。 シャワー浴びてぼけぼけの頭&二日酔い状態で家を飛び出した状態から本読んだり少し眠ったりして、誰かに会う気持ちに少しずつなっていく感じ。この30分がでかい。 武蔵小杉につくとbutajiさんがいて、少ししてるんさんも来てバスで川崎市民ミュージアムへ。 なんかで来たことあると思ったら、横山裕一展をいつか見に来たんだった。 ここで今日ヴィターリー・カネフスキー監督の「動くな、死ね、甦れ!」が上映されるという。とか書いてるけどまったく予備知識なし。 とにかく、場内飲食禁止とのことでポップコーンを食べながら鑑賞できないのは確かだ。 第二次世界大戦後のソ連の炭鉱町を舞台にしたモノクロの映画で、その町には日本兵も抑留され働かされているのだが、とにかく暮らしてる人がみな貧しそうな寒々しいその土地で、ワレルカという少年がやんちゃを繰り返してるうちにだんだんそれが大事になってのっぴきならない状況になっていく、みたいな話だった。もう、みんな生きるのに必死で、大人は誰も子どものことなど助けてくれないし、それどころか、ちょっとしたことでガンガン暴力をふるってくる。子どもは子どもで、少しもお互いに思いやりを見せることなく、からかい合いののしりあって笑っている。 主人公も例外じゃなく、自分を助けてくれたりする女の子にも、全然優しくするでもなく意地悪を繰り返したりする。だから全編通して、人と人との心が通い合うように見える瞬間はほとんどない(主人公と女の子の間にそういう瞬間が少しだがあるようには見える)のだが、かといって無感情なわけじゃなく、鼓膜がビリビリするぐらい絶叫のように歌う労働者たちや、生活の苦しさから発狂する人なんかもいて、感情はいつも激しく表現される。主人公を助けてくれようとする女の子が最後に死んでしまった時にも、その母親が発狂して全裸でホウキにまたがって走り回る(それがラストシーン)。 って感じが、マッドマックスの世界みたいで、異常な熱狂と退廃みたいな、そんな感じで「ああ、こんな世界で生きていくのはごめんだ!」と心の底から思った。しかしそういう思いは別にして、映像が重苦しくて、地面のぬかるみを歩く感触が伝わってきて嫌になるような迫力があった。なんか、迷路みたいな町で急に金歯の老人が出てきてニタッと笑うところとかホントぞっとした。出てくる大人の顔がほとんど怖いんだよなー。キアロスタミの「ともだちのうちはどこ?」の救い無いバージョンにも思えた。もし会場でポップコーンが食べられたとしてもこれほどポップコーンが似つかわしくない映画も無いであろう。しかもこれ1989年作の映画なのだ!驚く。 その中で、今思い返すと、お母さんが子豚を飼うことにして、その子豚を目一杯可愛がって「一緒に寝たい!」と主人公が言うところがあって、そのシーンだけ明るくて泣ける。 川崎市民ミュージアムの常設展や企画展を見て回る。川崎では毎年1月に「セエノカミの小屋」っていう藁でできた小屋を作り、一晩中そこで飲み食いして翌日に盛大に燃やすっていう儀式があるらしいのだが、その小屋で酒飲んでる写真がすごく楽しそうだった。混ざりたい。 バスで武蔵小杉駅へ戻る。 スマホで調べた「文福」っていう店で飲み、「こすぎ」っていうチューハイ200円の店で飲み、カラオケへ。 るんさんもbutajiさんも歌手だからまあ知っていたけど歌がうまい。 特にbutajiさんが歌う七尾旅人「湘南が遠くなっていく」岡村靖幸「カルアミルク」は最高すぎた。 いつかカバーアルバム出して欲しい。 例のごとく、なんか小腹がすいて日高屋のタンメン(麺少なめ470円)を食べて帰宅。 LINEでメテオさんとミヤマッチと遅くまで、どうしたら世界から暴力が無くなるのかという話をした。
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by chi-midoro
| 2016-08-29 02:41
| 脱力
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