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ブラックニッカ日々 2018-04-12

午前中、昨日の酒場取材を原稿にまとめる。
14時過ぎから「獄友」という映画を見るべく、十三へ向かう。

十三と言えば「らーめん大」である。
昼時だがガラガラ。潰れないで欲しい。

塩ラーメンを注文。え!と思うほど旨い。
東京にいた頃は二郎に行けない時の代替品みたいな感じで気軽に食べていたが、
大阪に来てみれば貴重である。感動もひとしお。

少し時間が早かったので、商店街をウロウロ。
十三は歓楽街が2、酒場が3、で、生活が5という感じの町で、
安い八百屋さんとか肉屋さんとかそういう店がたくさんある。
派手な町というイメージがあるが、暮らす人のエネルギーが強い。
そういえばめりんぬさんの友達のさっさんが十三に住んでるって言ってたな。
バッタリ会ったりして、と考えながら歩くがそんなはずもなく、
映画を上映する「第七藝術劇場」というビルの6回のミニシアターに行く。
すると、受付にいたのがさっさんであった。
驚きながらも、なんとなくそんな気がしていたような不思議な感じ。

今日見にきた「獄友」は、金聖雄というドキュメンタリー映画監督によるもの。
「袴田事件」で死刑囚になりながら証拠不十分で釈放された袴田巌さんの映画を撮っている人だ。

袴田さんの映画があって、たまに各地で上映されているらしいというのはカエさんから教わって知っていたが、
上映期間が短かったり、東京が多かったりでなかなか見れずにいた。
それが今回、この「第七藝術劇場」で上映され、金監督の他作品も上映されるっていうことで、
この「獄友」もその一つ。
袴田さんや、「布川事件」の犯人として逮捕された桜井昌司、杉山卓男、「足利事件」の菅家利和、「狭山事件」の石川一雄、みんな冤罪によって長期間拘留されていた人たちなのだが、その冤罪の被害者たちが交流を続けているのを追った映画。

来週月曜には袴田さんに対象を絞った「袴田巖 夢の間の世の中」も上映されるので、こりゃあもう年間会員になろうと思ってそうしてもらった。いつでも千円で見れる。

「第七藝術劇場」はちょうどいい広さで、さっさんがドアを開けてアナウンスしたりしていて人力で良い。
たっぷり昼ご飯を食べたし眠くなったら困るなと思ったが、ずっと面白い映画だった。

みんな、十数年~何十年と長い時間を刑務所で過ごしたのに、拘禁症になってしまった袴田さん以外はいたって普通のおじさんに見える。
ユーモラスだし、物腰が柔らかくてみんな可愛い顔をしている。
みんなで旅行に行ったりする場面なんか、ただの親戚の集まりみたいだ。
「千葉刑務所の運動場が昔の半分の面積になったらしい」「えー、そうなの?また入って確かめるしかないな」「わはは」みたいな、この人たちにしか言えないような冗談を飛ばし合う。
テーブルの上に酒が一切ないのは映画的な配慮(支援者たちへの配慮とか)なのか、それともみんな酒を飲まないのだろうか。
違和感はそこぐらいで、本当にこの人たちに刑務所にいた時間があったのかと思う。
でも、普通に見えて、それぞれが激烈なトラウマを抱えているわけで、幼女殺害の疑いで不当逮捕された菅家利和さんは、今も同じ土地に暮らしながらも、事件のあった方角は見れないんだそうだ。

こうやって動いている姿を見ると、冤罪の被害者となった人が存在していることが字面で見るより強く自分の中に意識されて、それだけでももう十分見た価値があると思った。国や政府みたいな大きな組織は絶対にそこからはじかれる人を作りだす。もしより良い国、より良い組織が実現して、今よりはみ出す人が少なくなることはあっても、それでも絶対またそこからはじかれる人がいるはずで、その人たちの側に立っていたい。

映画が終わり、さっさんとまた飲みましょうと話して商店街をウロウロ。
八百屋でレタスが38円で、驚いて買う。その少し先の別の八百屋でしいたけが58円で、驚いて買う。
十三の八百屋、安いな。

帰宅し、豚肉のしょうが焼きを作って夕飯とする。

映画館からもらってきたチラシを見たら今度「第七藝術劇場」で想田和弘監督の「港町」というのも上映するらしい。
予告編がすごく良さそうだった。これも行きたい。

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by chi-midoro | 2018-04-15 19:55 | 脱力
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