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ブラックニッカ日々 2018-05-28

昼前に目を覚まし、
昨日の鍋の残りの汁に昨日の鍋の残りの麺を入れてマイラーメンを作成。
満腹になり過ぎ、横になる。

国会中継を流しながら昼寝して、
15時過ぎに外へ出る。
天六まで歩き、阪急線で十三へ。
片道190円。

16時5分から第七藝術劇場で「ラッカは静かに虐殺されている」という映画をやっていて、
どうしてもそれは見逃さないようにしようと思っていく。

駅まで水買って劇場へ。
さっさんが今日も受付で、挨拶してすぐ開場となり席につく。
予告編の映画が見たいのばかりだった。
今の気分としては、ものすごい労力をかけられて作られたような大作フィクションか、
よっぽど変なフィクションか、それ以外ならドキュメント映画が一番みたい。
想田和弘作品を一挙に今度上映するらしく、それも見に行こうと思う。
第七藝術劇場の会員になって、交通費を別にしたらいつでも千円で映画をみれるのだが、
その「いつでも千円で」という気分がいい。
「今日暇だし映画行ってもいいな」と簡単に思える状態が嬉しい。

それで、「ラッカは静かに虐殺されている」は「カルテルランド」を撮ったマシューハイネマン監督(83年生まれで驚いた。若い)の作品で、圧政を行ってきたアサド政権に対する反政府運動が激化して政治的な空白地帯となったシリアに、イスラム国ことISが突如現れてその場を仕切り出し、恐怖政治的な統治を行っていくのを、「ラッカは静かに虐殺されている(RBSS)」という、インディ―報道チームがスマホやパソコンを駆使して海外に訴える。訴えたことによって海外にISの非道な行いが伝わり、ISへの非難が強まっていくんだけど、その代償としてISに命を狙われることになり、実際に仲間が何人もつかまって殺される。RBSSにはシリア内にとどまって命がけで報道する国内組と、そのデータを受け取ってトルコやドイツに住みながらニュースや映像をFacebookやTwitterで公開する国外組がいる。

シリアを自分たちが安定して統治しているように見せかけたいISはRBSSの存在を目の敵にしているから、RBSSがシリアから映像だのニュースだのを発信できないように電波を監視したり町の中にあるパラボラアンテナを片っ端から破壊したりするが、RBSSはその裏をかき、なんとか報道を続ける。

見ていて「ほんとかよ」と思うぐらいハードな状況で、共感するとか、そんな生易しいものではもちろんなく、自分は一体何を(さっきまで自分はスマホを使いヤフオクで安いスニーカー探してたりしてた)と情けなくなるような映画だった。と同時に、やろうと思えば究極に普通な設備であっても何かができるという見本を見せつけられ、お前も何か世界を少しでも良くするために何かしてみろと言われているような熱い気持ちにもなるのだった。

皮肉なのが、ISが国際的な非難の対象になると、今度はアサド政権がそれを駆逐する側として勢力を盛り返し、シリアをバンバン空爆する。ISも打撃を受けるんだけど、関係ない市民も被害を受ける。家に帰って調べてみると、ロシアはアサド政権を支持していて、アメリカはアサド政権に反対していて、その代理戦争的な側面もあるというし、双方とも、ISについてはアンチで、みたいな複雑な構造になっている。映画の中でも「ISが殲滅されてもまた別の勢力が台頭するだろう」みたいな話が出てくる。

貧困と飢えと空からいつ爆弾が落ちてくるかわからない不安があれば「俺たちは神の使者だ!」とでかい声で謳い上げる集団にすべてを託したくなる。これも映画の中で、ISが子どもを積極的に戦力にするという話が出てくる。親が買ってやれないケータイだとかを与えて仲間に取り込んで洗脳し、疑問を浮かべずに爆弾を抱えて攻撃できる存在に育てる。そんなことが可能なのも、まずはベースに強烈な貧困と不安があるからだろう。

それはおかしい、ということはわかるが、じゃあどうしたらいい、はわからない。

わかんねーと思って劇場を出て、とりあえずそのまま駅へ向かって天六へ戻り、
コンビニで発泡酒を買って飲みながら歩く。
マシューハイネマンの撮り方はちょっと独特で、天六の町がなんかあのタッチで切り取られたように感じる。

納豆ご飯や味噌汁で夕飯を済ませて太閤閣の蛍を見に行く。
今年もたくさん見えた。
近くを飛んでいるので手を差し出したらスッと止まった。
グリーンのようなイエローのような、こんな蛍光色が似あうようになりたい。

庭園を散歩して川沿いのドンキホーテにふらっと立ち寄り、
買い物して帰宅。

明日の準備しつつ明け方まで起きてしまう。

by chi-midoro | 2018-05-29 04:41 | 脱力
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