昼、カップ麺。味噌味。なんか印象に残らない味。
日中、仕事進める。 なんとか片づいてホッとする。 図書館で借りて読んでいた古谷経衡「ネット右翼の終わり」を読み終えた。 つねひら、という読みがなかなか覚えられない。 もともとネット右翼に近い政治思想を持っていたが、徐々に批判的なスタンスになっていったという人で、 「保守」と呼ばれる層とヘイトスピーチしたりする過激な「ネトウヨ」がどんな風につながっているかとか、 ネトウヨというものが生まれてからここ10年ぐらいの動きとかを内部かそこに近いところから分析している。 こんなことが書いてあったメモ。 ・ネトウヨが生まれたのは2002年の日韓共催のワールドカップがきっかけだ、と著者は考えている。疑惑の判定などあきらかな贔屓があったのにメディアはまったくそれを取り上げない。また、ちょうどその頃に冬ソナを始め韓流ドラマが流行したこともあって、「大手メディアは偏っている!」というストレスがネット空間に吹き溜まってネトウヨが生まれた、と。 ・安倍政権に近しいポジションにいる保守系の論壇の人たちは、ネトウヨたちが自分たちの動画とかブログに「最高!」「よく言った!」みたいなリアクションがあるので、「自分たちの声が通じた!」という気でいるが、ネトウヨたちの多くはその動画なりブログなりの派手で大げさな部分ばかりを剽窃的に取り込んでいるだけで(見出し読んでるだけ、という意味で「ヘッドライン寄生」と著者は呼んでいる)、保守系論壇の言いたいことがきちんと伝わっているわけではない。むしろ、強引に過激思想に結び付けられるリスクもあるので、保守はネトウヨを自分たちに害悪を及ぼすものとして積極的に切り離すべきだ。 ・2000年代初頭の、まだ回線速度もめちゃくちゃ遅くて画像見るだけで時間かかるようなインターネットを知っている人は、インターネットそのものへの信頼が薄くて「インチキ情報がまん延している怪しげな世界」みたいなイメージを前提としてもっているけど、快適なインフラが整ってからインターネットを利用し始めたユーザーは、ネット上の明らかに根拠の薄いトンデモ情報も鵜呑みにしてしまう。 この人の書いていることもそれはそれで偏っている気もして、うーんと思う部分もあったが、でもこういうポジションで考えている人もいて欲しいし、本自体は読んでて面白かった。例えばこの古谷経衡は基本的にどんな原稿でも依頼されたら書くというポリシーを持っていて、嫌韓本とかにも寄稿している。嫌韓本の多くには韓国あるあるが少し意地悪な目線で書かれているだけで、ヘイトスピーチ的な許してはいけないような差別はそこには無いと思っていて、俺はそれはどうかなと思うのだが、とにかくこの人はそう言っている。(後に、いたずらに「ヘッドライン寄生」を煽るようなタイトルや見出しはやめるべきだ、とも書いている) あと、「8.7秒バズーカ」の「ラッスンゴレライ」が実は原爆投下を意味している、みたいな一時期ネット上で見かけたデマのことが書かれていて、それ自体は「しょうもな…」としか思わないことなのだが、でも、そこからネトウヨたちがわらわら面白半分に集まって、あの衣装にはこういう意味があって、あのセリフにはこういう意味が、みたいに発展していって、それもまた「しょうもな…」としか感じないことなんだけど、さらに「彼らは在日韓国人である」みたいなことを真顔で言い出すやつらまで出てくる、という流れ、ネット大喜利みたいな、なんかイヤな面白がり方が、徐々に本当にヤバい領域まで行くあの怖さ。 例えば、コンビニでイタズラした人がツイッターに投稿して、それで炎上して、その時点でバカではあるけど、住所を特定されたり、なんなら殺害予告を受けたりする、っていうその、「しょうもな…」があるところから気付けば「こわ…」になっている過程って、今ちょうど読んでるから連想するのかもしれないけどオウムの時も同じ感じだったんじゃないだろうか。 バカバカしい集団が、ある程度の人数を集め、バカバカしいなりに力を結集させたら危険なことが達成できてしまうという。怖い。 夕方、18時半頃に家を出る。今日は平民金子さんと須磨海浜水族園が夏の間だけナイト営業しているというので、そこに行って飲む、という約束。 金子さんは20時頃に行く予定だというので、自分もそれにあわせていく。 昨日の夜のうちに台風が過ぎ去り、今日の天気は大丈夫だと勝手に安心していたのだが、結構風が強い。 神戸方面への電車も終日間引き運転しているようで、また、ちょうど帰宅ラッシュでもあったのか、とにかく混んでる。 乗ろうと思った電車をひとつあきらめた。 そうしてなんとか須磨海浜公園駅に20時頃にたどり着き、急いで水族館へ走る。 20時から夜のイルカショーが始まるというのだ。 走りまくって20時7分にイルカステージに到着。 夜空の下のステージにバッと明かりがついてイルカがジャンプする光景が夢みたいでよかった。 金子さんが座っている席をみつけて隣で見る。 なんとなくガラガラの水族館を想像していたが、イルカステージは大賑わい。ほぼ満席。 正面では子どもたちがイルカにバシャバシャ水をかけられて喜んでいる。 無言でショーを見終え、酒さえ飲めればいいやと思っていたけどせっかく来たんだし、と金子さんと展示を見てまわる。 京都水族館みたいにオシャレでもないし海遊館ほど大きくもないけど、ちょうどいい。 展示内容も面白い。これで入館料1300円というのは安い気がする。 カンブリア紀からどんな風に生物が進化してきたか、というのを順立てて紹介しているコーナーがあり、 最初は「海綿」みたいな生き物がいて、イソギンチャクとか触手を持って捕食する生き物が生まれたり、 ついにはクラゲみたいに移動するやつらも出てきて、固い外殻で身を守るやつがいたり、 殻を捨てて機動力を取るやつらが現れたり、みたいな。 で、「殻を捨てて機動力を取る」とかいま自分も書いているけど、誰がその判断をしたんだと思う。 生物の個体1個1個が、「そうだ、殻捨ててみよう」と思うわけがなくて、 微差が何万年分積もって大きくなっていったというようなことなんだろうけど、 「カラージェリー」だったか、そんな名前のクラゲが、ボワッボワッと水槽を泳いでいるのをじっと見ている時に、 「この一つ一つには思考とか自我はない。そういうものを海に預けているんだ」という風に思った。 海がそれをやってくれるので、個体にはそれを持つ必要がないのではないか。 楽そうだ。 アマゾン館という部屋がすごい良くて、鳥の声なのか虫の声なのか、とにかく熱帯雨林っぽいサウンドがずっと流れていて、静かに巨大魚が泳いでいる。こんな生き物いるのか、と思う変な形、そしてデカさ。アマゾンやばい。人も全然いなくてベンチもあって「ここ最高の飲みスポットですね」と話す。 ヤマコさんが仕事後に駅まで来てくれて、「先に近くの海辺で飲んでいます」というので、 水族館を出て酒を買って合流。 台風の影響はまだ大きくて、とにかく海辺の風がすごい。 波打ち際はだいぶ遠いのだが、砕ける波頭が真っ白で怖い。 しぶきがかなり離れた場所まで飛んでくる。 金子さんによると神戸市が今日、今期の海水浴場を終了することを決めたそうだ。 本当は8月末まで泳げたはずなのだが、海の家も台風でぶっ壊れてしまっているところが多く、 安全性も確保できないのでもう閉めてしまうらしい。 その、もうこの夏の役目を終えた海の家の床で三人で飲む。 金子さんは中畑商店のホルモンをたくさん買ってきてくれている。 ししとう、旨い。 強い風に吹かれてずっとオールバック状態になりながら、 金子さんが今日みてきた地蔵盆の話などを聞き、 22時半頃に歩き出して隣の須磨駅まで歩く。 波打ち際は歩きやすく道が舗装されていて、 須磨駅すぐの海岸より、水族館に近い方が静かで穴場なんだという。 来年は泳ぎに来たい。 終電で帰宅。 カップスープ飲んで寝る。
by chi-midoro
| 2018-08-27 18:38
| 脱力
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