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ブラックニッカ日々 2018-10-02

朝、起きて延期になった運動会を見に行く。
平日ゆえに人は少ない。
しかし天気は最高。
暑いほどだ。

本来ならお昼にお弁当食べるタイムみたいなのがあるはずだが、
延期版の運動会はそれがなくなり、生徒たちは給食。
親は一度解散となり各自食べてまた戻ってくる。
家に帰る途中のコンビニでカップ麺を買って食べた。

ボーイはへなへなした走りなのに競争で1位になっていて驚いた。
運動会、ちゃんと見ていると結構盛り上がる。
15時頃帰宅。

宇多丸さんにおすすめしてもらって借りていた「ヤングゼネレーション」を見る。
アメリカのインディアナ州というところに住んでいる4人の冴えない若者が主人公で、
そいつらは地元っ子で、石切り工の息子であるデイブっていうやつはレース用の自転車に乗るのが趣味で、
イタリアの自転車チームに憧れている。
なので身も心もイタリアかぶれ。イタリアの音楽を聞いて、飼い猫にも「フェリーニ」と名付けていたりする。

採石をした跡にできた大きな池で泳いで遊んでいる4人組は、
いかにもイナたい感じで、服装もダサくて、
ダサカッコいいとかじゃなくダサい。服の変なとこに穴あいてたり、まったく冴えない。
近くに大学があり、そこに通う金持ちの息子たちにめちゃくちゃ嫉妬し、
また、女子大生のまばゆさに呆然としたりもしている。

イケメン大学男子に縄張りの池を我が物顔で泳がれたりして、
その度に「クソ!」っつってケンカを挑んだりするのだが、
勝てるわけでもないし、「あーあ、どうせ俺たちはこのままここで一生を終えるんだ」みたいにやさぐれている。

女子大生に恋したデイブが勢いで接近を試みる
(4人組のうちの一人が買いたてのギターで伴奏し、寮の前で愛の歌を歌う。あのシーン最高)。
すると案外その戦法がうまくいき、女子大生もデイブに興味を持つ。
デイブは地元出身だということを隠し、自分はイタリア人なんだウソをつき続ける。

冴えない4人の中でもデイブの自転車の才能だけはかなり光っていて、
実際にイタリアの有名選手たちが出るレースに出るとダントツで強いのだが、
イタリアチームに走りを妨害されて負け、イタリアへの憧れが一気に憎しみに反転する。

自分がイタリア人だなんて真っ赤なウソだと恋の相手に暴露し、嫌われるデイブ。
もういいんだ何もかも!みたいになったんだけど、地元で開かれる自転車レースの大会
(当時のアメリカでは自転車ってそんなにポピュラーなスポーツだったんだろうか)があって、
憎きイケメン大学生たちも出場するというので、4人でチームを作って出て、
デイブが転倒して足を負傷しながらも最後の最後で逆転して勝利。

最初はフラフラしている息子に不満を持っていたデイブの父も、徐々にデイブを応援する気になり、
最後には二人の関係は確かなものになる。

石切り工を意味する蔑称である「カッターズ」という言葉を、
映画ラストの自転車レースに出る際のチーム名にし、
「CUTTERS」と書いたTシャツを母親が作ってみんなにプレゼント。
その家族愛も良い。
自分が嫌だと思っていた地元、ダサいと思っていた父の職業を、堂々と背負って戦いに挑む、という流れは
この前みた「クリード」にも通ずる。

情けない思いをしながらも、自分は結局こういう風に生まれてこういう風に育った自分でしかなく、
それはいくら何に憧れても変えることのできないもので、
それを胸を張って肯定した先に、地に足のついた幸福がある。

カッターズの面々が得る幸福が、おそらくその地域の人しか知らないであろう小さなレースでの勝利で、
それで世界がガラッと変わるでもないんだけど、でもなんか、「あの時俺たちは確かに成し遂げたよな」って、
みんなが一生きっと思っていられるようなアツい一日だったんだなっていうのが、なんともいい。
泣きはしないけど、しみじみと、良い感じだなと思う。
カッターズの4人全員いいやつら。

イケメン大学生に採石跡の池で泳ぎの勝負を挑み、
あっけなく負けるんだけど、負けた後も泳ぎ続けて、無理するから岩に頭をぶつけて血が出て、
「大丈夫かー!」みたいな感じで残りの三人が飛び込む。
それをイケメン大学生は「はあ?なんだこいつら」みたいな顔で見ている。
たまらないシーンであった。

ドタバタした青春ものなのかなと思ったけど、笑いの要素は多分にありつつも全体としてはとても静かで、
変に間が伸びた部分もある、のん気で良い映画だった。

夕飯は鍋。
もう一本、「ゲット・アウト」という映画を見る。
白人の女性と黒人の男性がつきあっていて、
女性の方の親に挨拶に行く。
「黒人だって言ってなかったの?きっと君の親は嫌がるよ」と不安げな男性だが、
「うちの親はオバマを支持してるし、寛容よ」と女性は言う。
で、家に行ってみると、その家にはなんか妙な雰囲気の黒人の家政婦がいたり、
手伝いの男性も黒人で、これもまたなんか会話が成り立たないような変なやつ。
家族も、歓待はしてくれるんだけどどこかみんな変。

その夜、精神科医で催眠療法を行うことのできる母親に、主人公は無理矢理催眠にかけられ、
コーヒーをかきまわすスプーンの音で操られるようになってしまう。

翌日には主人公がやってきたのを歓迎するパーティーが開催されるのだが、
そこに集まってくる白人のおじさん、おばさんたちは、なんかみんな、あからさまな差別はないんだけど、
黒人って性的に強いんでしょ?とか、下世話な目で主人公を見てくる。

なんかみんな失礼だし不気味だし、「帰ろうぜ」と主人公は彼女に話し、
家を出ようとするんだけど、突如暴行を受け、監禁される。
そこで彼女の一家の真の目的が明かされるのだが、
要するに、肉体的に優れた黒人たちを彼女がハントして来ては家に連れてきて、
脳手術みたいなのを施し、金持ちの白人たちの脳をそこに移植する、ということを行う秘密結社だったのである。

そのことを知った主人公は、手術直前で命からがら抜け出す。
自分をだました彼女も、その家族もぶっ倒し、
「最初からおかしいと思ってたんだよ!」って、自分を唯一助けようとしてくれた黒人仲間のおかげもあって、生還する。

監督自身が黒人男性で、まず、目に見える差別、ヘイトみたいなものとは別に、
「ああ、肌の黒い人って、なんか素敵よね」みたいな、差別に見えないけど実は奥底では偏見の目で見ているような白人層に対し、
違和感を感じており、それがこの映画の着想の根本なのだという(後で調べた)。
監督はもともとコメディ畑の人で、この映画は「ホラー映画」にくくられるし、
猟奇殺人ぽいテーマだし、不気味な場面もたくさん出てくるんだけど、
なんかどこか過剰でちょっと笑えるのは、この映画が陰気なトーンでグロテスクではありつつ、根っこがコメディだからなのかもしれない。
家の手伝いをしている黒人男性(彼女の亡くなった祖父の脳が移植されてるらしい)が夜中、外にタバコを吸いに出た主人公に向かって猛然と突進してきて、けど何もせず横を走り抜けて行くシーンがあって、
「なんだよこの、脅かすためだけのシーン!」と思うのだが、後で考えると笑えて来る。ただ走り過ぎるだけ!
実際、アメリカでは「GET OUTチャレンジ」つって、このシーンをマネする自撮り動画が流行ったそうである。

よく考えると変なところが山ほどあって、
主人公の脳を入れ替えるのが目的の割りには、彼女の家族がみんな怪し過ぎて、
「そんな怪しいから気づかれるんだよ!」と思うし、
脳手術のシーンもなんかアホらしい。頭をパカッとメスで切って、ゴミ箱にポーンと捨て、ドリルでチュイーン!みたいな、
そんな簡単かよ!と思う。

そんな話を、この映画を見たというメテオさんと夜中にLINEでして盛り上がった。
ツッコミどころ満載。だけどまあ、最後に友達が助けに来てくれるから「友達最高!」っていうことでいいんじゃないでしょうか、と話す。




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by chi-midoro | 2018-10-08 00:32 | 脱力
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