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ブラックニッカ日々 2019-01-02

13時半頃に家を出て大阪駅へ。
大阪に帰省してきているひなこさんと改札前で合流し、合流したが目的地は全然決まっていなくて、
そのだ競馬にでも行ってみようかとふと思い、調べたら今日からやっていて、
でももうレースが全部終わってしまう時間かもしれないと思ってやめ、アテはないが十三に行ってみることに。
最近どうですかというような話をしながら十三駅前を歩く。
町は静かだが駅前の飲み屋はチラホラやっている。
とりあえず七藝側に出て、お正月らしいBGMが流れている商店街をずっと真っ直ぐ歩き、
引き返して駅前の路地の串カツ屋で瓶ビールを2本飲む。
「ごめんね!バタバタしてまして」と、店は人手が足りないのだろう、
厨房に食べ終えた皿がまだ山積みになっているような状況で、楽に出してもらえそうなおでんを少し注文した。
その店を出て、線路をくぐった反対側へ出ると、そっちの方が賑やかである。
なんでだろうと思って進んでいったら、今まで気づかなかったけど商店街の先に神津神社という神社があって、
そこに初詣に行く人で賑わっているのだった。屋台も数軒出ている。
ゲソ焼いてる匂い。
初詣をしている人を後ろから眺め、たまに夏祭りなんかで見かける、十二星座とか生年月日占いの紙がラックにずらっと並んでいて、お金を払って好きにとる、おみくじみたいなものの自分の生年月日のを一つ買う。買うというか引く。100円。
中を開くと2枚の紙が入っていて1枚には「あなたの性格」と書いてある。
あなたは人に雇われるよりも自分で事業をする方が向いている、というようなことが書いてある。
もう1枚は運勢で、今週いっぱいはツイています、というようなことが書いてある。
なんともありがたみが薄くて面白い。

そのまま歩いて淀川を渡る。
長い橋を渡っている途中でちょうど日が沈み、川がオレンジだった。

中津から中崎町、天満へと歩き、天五の「かどっこ」があいていたので入る。
キムチ鍋とビーフシチュー春巻き。
ここは東京の大衆酒場の良い部分を引っこ抜いて煮詰めたような店で、ホッピーも三冷、下町チューハイなんかもある。
料理も安く、凝っていて旨い。
日本酒のふるまいがあって得した。

しばらくいてまた歩き出し、天満宮へ行ってみたけどもう閉門していて、
引き返して商店街沿いの鳥貴族に入る。
23時頃までしゃべって環状線に乗って帰る。
ずいぶん長く歩いて色々しゃべったが、話の中で料理のことがでてきて、
自分は鍋料理が好きで、余った汁に、それまでに入れた色々な具材のダシが出ていて、その汁にすべての旨さが詰まってると思うからもったいなくて捨てられない。食べきれなかったら小鍋にとっておいて翌日スープにして食べる。というような話になった。
ダシを信奉している、“ダシ信仰”だ、という話になって、鶏ガラを買ってきて何時間も煮詰めるのが楽しいのもそれだし、ラーメン屋さんを志すような人はみんなダシは神、みたいに思っているんじゃないかという。
ダシ最高。と話しているうちに、自分のダシ信仰は料理に限ったことじゃなくて、だいたい自分は本読もうが映画みようが記憶力がボロすぎてほとんど忘れてしまう。経験したこともどんどん忘れていくのだが、それらからダシが出て、旨みが増していってるんじゃないかという、ぼんやりとした思いがあった。
昔読んだ田口賢司という人の小説に、あらゆるものが自分の中でミキサーにかけられて、その上澄みが自分を作るんだ、みたいなことが書いてあった覚えがあり、そこが好きだった。
それみたいに、形に残っていない、自分を通過していったものが自分の中にかすかにでも残っているはずだと信じたい気持ち、それがダシ信仰なのだ。
この考えはすごく楽だ。がんばって覚えている必要もない。それにどんな些細なことにも意味があったと思える。

by chi-midoro | 2019-01-07 14:11 | 脱力
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