早朝、トイレに行きたくなって起きて、よしもう一度寝よう、と思ったら外がすごい色。
部屋の窓からすぐ目の前に海が広がっていて、日の出の直前のようだ。 海辺に出てそれを眺めている人もいる。 じわじわと明るくなって、真っ正面から太陽がのぼってきた。 バルコニーに出てみると、隣の部屋のハセガワさんも写真を撮っていた。 大浴場へ向かい、朝風呂。 その後、ホテルの近くで行われる魚のセリを見たり、ホテルに戻ってまた寝たり、 売店で「寒茶」っていう地元のお茶を買って飲んだら、今まさにそういうものが飲みたいと思っていたすごい苦いお茶で美味しかったりした。 藍染めの工房を見学したり、 地元の食材を使った料理を出すレストランで食事したり、 太龍寺という四国八十八カ所の札所でもある寺を見たりした。 お遍路さんがたくさんいて、いつか自分もやりたいと思う。 四国は本当に恵まれた土地で、交通の便は決してよくないけど、 食べ物もうまいし海も山も川もある。恵まれた土地、という感じがする。 そこを寺をめぐりながら歩くなんて、大変そうだけど絶対に楽しい。 と、楽しんでやっていいものなのか分からないが、 実際に巡礼している高齢男女たちはみんな賑やかだった。 徳島駅前でめちゃうまいラーメンを食べ大阪に向かう。 淡路島を縦断し2時間ちょっとでもう大阪。 近いなー徳島。また来たい。 ハセガワさんと別れ、急いで帰宅。 大阪で明日仕事があるという父が泊まりに来ていたのだ。 着くと父はもう酔っていて、少しだけ話したら寝てしまった。 #
by chi-midoro
| 2017-11-13 08:26
| 脱力
今日と明日、ライター向けのプレスツアーがあるというのに誘われて徳島県に行く。
ちょうど大阪に滞在していたハセガワさんにも声をかけ、来てもらうことに。 朝9時に新大阪駅に集合。 そこからバスで徳島へ。 今週もまた明石海峡大橋を見る(っていうか渡る)ことができて嬉しい。 天気が良く、海が綺麗だ。 鳴門でぶりの刺身を食べたり、「お松大権現」っていう猫を奉る寺に行ったり。 この「お松大権現」は、村の庄屋に騙されたお松さんという女性が、 命がけで殿さまに庄屋の罪について直訴して(その当時は、そうやって普通の身分の人がいきなり殿さまに陳情するっていうのはその内容がどうであれ死罪になったんだという)、それで処刑されてしまったんだが、 村の人はずっとそのことを英雄譚として忘れずにいて、 かといって「お松さんという英雄がいて」って公に語ると反体制ということで自分たちも罰せられるから、 「義理権現」と、お松さんの名を隠して奉り続けていたという。 お松さんを奉ることが、農民への圧制に対するレジスタンス的なものとして大事にされてきた。 明治になってようやく言論の自由が保障されるようになって「お松大権現」という、本来の名になったのだとか。 境内には人懐っこいな猫が何匹もウロウロしていて、 住職もどことなく猫っぽい雰囲気だった。 バスの中では小林エリコさんの「この地獄を生きるのだ」を読む。 シカクにもミニコミを置いている小林エリコさん。 自殺未遂を繰り返し、精神病院に入院して生活保護を受けることになるのだが、 本人は生活保護を受けている自分が許せなくてそこから脱しようともがく。 そのためには普通の仕事につくことが必要で、 まだじゅうぶんじゃない体力とか、周囲の偏見とか、 そういうものをなんとかやり過ごしながら働き続ける。 自分に仕事が任されてそれで妥当な賃金を受け取る、ということの喜びが文章にあふれていた。 エリコさんも、植本一子さんみたいに愛情の確認を何度も繰り返さないと不安で仕方ないようで、 そのために順調だった人間関係を自分から壊してしまったりしていて痛々しい。 もっと楽にやろうぜ!と軽薄な口調で言いたくなるけど、そこから抜け出すのは簡単じゃないんだろう。 今自分は、自分にできるちょうどいいぐらいの仕事がちょうどいい量あって、 収入は少ないけど、ありがたい。 しかし一寸先は闇かもしれない。その時どうなるかはまったくわからないけど。 徳島の南端、海部郡海陽町というところまで行って「ホテルリビエラししくい」という宿にチェックイン。 近くの居酒屋「ごち」で、七輪で海の幸を焼いて食べる。 アシアカという海老、ハマグリ、うますぎる。 徳島県の観光協会の方によれば、 魚にしても野菜にしてもとにかく徳島の食べ物は、素材自体がもう美味しくて、 魚だったら刺身か焼くか、野菜ならそのまま食べるか炒めるか煮るか、それだけでもうじゅうぶん美味しいので、 それゆえに「ご当地グルメ」みたいなものが存在しないんだという。 そんなこともあるんだな。 21時頃解散となり、ハセガワさんと宍喰駅まで散歩。 あいてる店もなく街灯もポツポツとしかなく真っ暗。 それゆえに星がすごい。 ホテルに戻って大浴場でひとっぷろ浴び、 ハセガワさんの部屋で徳島の焼酎を飲みながら24時ぐらいまで歓談して寝る。
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by chi-midoro
| 2017-11-13 07:57
| 脱力
朝起きて仕事関連のメールやり取りしつつ、借りていた森達也「FAKE」のDVDを見る。
佐村河内守を対象にしたドキュメント映画。 ぜひ番組に出てください、佐村河内さんの本当に語りたいことを伝えたいのです、 みたいに真面目な顔してやってくるテレビ局の人らのインチキさに腹がたつ。 でも、そのインチキな正義漢ヅラの姿勢を、森達也監督もこの映画の推進力にしているわけで、例えば新垣氏のサイン会に客なフリして並び、しかもカメラは隠し持っていて、サインに森達也と名前を書いてくれと頼んで、え!森さんですか!とうろたえるところを撮影するとか、そんなのは陰険で安っぽい。 佐村河内さんの不器用さ、かっこのつかなさだけが、生々しくて、それだけが信じられる。 もはや、何が嘘かもわからなくなり、とにかく佐村河内さんと嫁の香さんが不自由なく暮らしてくれればいいと思う。 そう思いながら二人の生活を覗き見した自分も陰険な視線を向けていると思う。 11時半ごろ家を出て心斎橋で取材。 2日連続で歩く心斎橋。疲れる。 取材先で食事がふるまわれるかと思っていたのだが勘違いで、サッと終わる。 じゃあ、何食おうー!とさまよい、結局この辺きたらいつも寄ってしまう「のスた」へ。 ニンニク抜きでお願いしたのが忘れ去られ山のように盛られる。 しかし、うまい。 日本橋駅から帰路につく。 梅田を通らず天六で乗り換えられるのでこっちのルートの方が好きだ。 帰宅して、電車の中でずっと読んでいた植本一子「降伏の記録」が止まらなくなって読み終える。 前の2冊までと違って、読んで行くうちにだんだんと植本さんに付き合いきれなくなっていく感じがしてしまう。 笑える空気も影をひそめて、ただ露悪的に普通は書きにくいことを書きはらしているように見えてくる。 しかし、「FAKE」もそうだけど、自分はその生活を本で読んで、ワハハ!とか何これすごい!という面白さではなく、 覗き見しているような陰気な楽しみを感じており、なんとも言えない。 植本さんはとにかく愛されてることを試さないといられないのだ。 何かで相手を引っ張り回し、「これでもまだ愛してくれる?」と確かめ続ける。 それで、相手の反応がちょっとでも自分の期待と違うと「やっぱり愛してくれないんだ」と落ち込み、相手を拒絶する。 っていうことをずっと繰り返しているようだ。 恋愛初期の、相手が好きだからこそ嫉妬が湧いてくる時期のような、そういう感じかと思うとわかるような気もするけど、 どこかで「他人の心の中なんて結局わからない」とあきらめるしかない。 しかし、植本さんはそれを外に表現できるから、それを見て「わかるよ!」っていう理解者がまわりに次々に現れるっていうサイクルが生まれ、限界が来るまで続けてしまうという。 最初の2冊よりも、他人を受け入れる隙間が狭くなって窮屈になっていってるところが息苦しい。 でも植本さんが何を書いていくのかは気になって仕方ない。 みんなが「がんばれECD!」と言っている時、ただ一人「早く死んでほしい」と言える人。すごい。 夕飯はカレーとポトフ。 一旦寝てまた起きて「フルートベール駅で」という映画のDVDをみる。 2009年にサンフランシスコで実際にあった、白人警官が黒人男性を射殺した事件を題材にした映画。 死んだオスカー・グラントに友達がいて家族がいて、生活があった、っていうことが描かれているんだが、 本当になんで警官があのタイミングで発砲するのか全然わからなくて、 その後の裁判の証言とか、なんかもう少し概要を知りたくなった。 大みそかの電車の中で、Mac Dre「Feelin' Myself」をスピーカーで鳴らしながらみんなが踊るシーンがあるのだが、 その曲がかっこよかった。
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by chi-midoro
| 2017-11-13 07:28
| 脱力
朝起きて、たまっていた日記書き。
借りていた「レヴェナント」のDVDを見ながらやろうかと思ったけど、 そんなことができる映画じゃなかった。 一旦止める。 11時から日本橋で取材。 面白い話がたくさん聞けた。 ラーメン食べて帰ろうと適当に歩いているうちにJR難波駅まで出てしまったのでそこから帰る。 いつ来てもなんかガラーンとして、これで大丈夫なのかと思う駅だ。 だが隙間がたくさんあって好きである。 家に戻り、「レヴェナント」の続きを見る。 アメリカ開拓時代の冒険譚をもとにした映画で、毛皮を集めるハンターチームに属するヒュー・グラスという男が、 クマに襲われて瀕死となり、チームに置き去りにされながらも必死で生き抜いて生還するっていう実話があって、 アメリカでは英雄譚として有名なのだそうだ。 それをディカプリオ主演で映画化したものなのだが、 実話と一番違うのは、グラスに先住民との間にできた子どもがいて、 その息子が狩猟チームに同行しており、クマに襲われた父がチームの足手まといになって置いて行かれようとするのを守ろうとしたがために殺される。それで、最愛の息子の復讐を果たすためになにがなんでも生きるっていう部分。 本当のグラスには子供はいなかったという。 グラスが先住民の息子を持つアメリカ人だということは、グラスの立場を複雑な、間に立つ者という感じにして、 さらに映画ではむしろアメリカ人の侵略の残虐さと、先住民への敬意(というか単純に情のある人たちとして描かれる)が強調されているので、この実話との差異はかなり大きなものだろう。というかその創作の部分が映画の軸にあるような気がする。 ネットで調べてみるとその付け足しの部分は、意地悪に見れば「深いテーマを持つ良い映画ですよ」という、映画界や社会への目くばせでもあるらしいけど…。 とはいえ、映画を見ている間はそれよりもとにかくもう絶望的過ぎる状況からディカプリオが早く救われますようにと祈るばかりで、とにかく辛い。瀕死なのに先住民たちには狙われるし、アメリカ人に殺されかけもするし、寒いし腹減るし…。 あまりにしんどくて思わず笑ってしまった。かわいそうすぎる! それに敵役が憎たらし過ぎるのだ。死ぬ間際までディカプリオを挑発するようなセリフを吐いてなんつう意地悪な描き方かと。 クマに襲われるシーンのおそろしさ、あと、やっと馬を手に入れたと思ったら先住民たちに見つかってものすごい大勢に追いかけられるところの映像は「サウルの息子」にも似ているように感じた。あえて、映像の可視範囲を狭めてあり、周りがぼやけて、視界の外からおそろしいものがやってくる、みたいな風に想像させる。この演出、ホントこわい。こわいし、きっとクリアな映像では描きにくいことも見せられるだろうから、すごいアイデアだと思う。 崖から落ちて死んだ馬の内臓を取り出し、全裸でそこに入って吹雪をしのぐ、とか、なにを見てるんだ俺、と思った。 とにかくディカプリオの演技がヤバすぎてモノマネしてしまいそうになるほどだ。役者魂。 それを見て疲れ果てつつ夕飯の準備。 今日は久々に鍋。高松で買った豆腐や大根菜も入れる。 しばしゴロゴロし、風呂入って就寝。 1時ごろ起きて3時半ぐらいまで仕事。
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by chi-midoro
| 2017-11-08 09:35
| 脱力
14時から京都水族館に取材の用があり、
早めに着いておいて駅ビルのラーメンストリートでラーメン食べようと思う。 そう思いつつ仕事を少ししていたら割と時間が差し迫り、 京都駅についてみるとラーメン食べる時間などないどころか、 ぴったり予定時刻に到着するかどうかぐらいの時間になっていた。 歩いて水族館へ。 取材はすぐ終わり、自由に中を見て帰って行ってくださいとのことだったので、 クラゲを見たり、イルカショーを見たりする。 京都水族館で見るイルカショーはいつもなぜか涙が出る。 ショーの最後に決まってトレーナーの人が言うのが 「彼らにとってショーがうまくいくかどうかは関係ありません。ただ、彼らは少しでも長く遊んでいたいだけなんです。だから私たちは彼らが少しでも楽しく遊べるようにできるかぎりいい環境を作って、一緒に遊びたいと思っています」みたいな意味のセリフで、 それがいいなあと思うのだ。 いや、実際、ショーに出ているイルカが自由を奪われて不幸なのか、意外と幸福なのか、そこは分からないから置いておくとして、 「みんな生まれてきて、できるだけ長く楽しく遊びたいだけだよな」と思うのだ。 また、日差しを受けてキラキラ光るイルカの体が美しくて、それを見ていると余計なんかジーンとしてしまう。 水族館を出て帰り道とは逆の方に歩き、 この前whatmanさんが教えてくれた「橋本酒店」という角打ちを目指す。 すごく良かったという。 歩いて10分ほど。 生活品を売る町の売店、といった風情の店の奥にカウンターがある。 着いて気付いたがこの店、この前自分が寄稿させてもらった「Men'sLeaf」の表紙の店である。 良い写真だなーと思ったあの店に思いがけず来れて嬉しかった。 客は私と同時に入店してきたご高齢の常連さん一人。最初は緊張したが、生ビールをもらってふっと深呼吸したら一気に落ち着いた。 しばらくお店の大将と常連さんの話に耳を傾ける。 「そういえば今日あいつ見たで、元気そうやったわ。店には来てるか?」 「ああ、こないだも来たで。あとそうや、新田が来たわ友達つれて」 「おお、新田きたか。ニタニタしとったか?ニタニタの新田」 会ったことも無い人たちの顔がぼんやりイメージされる。 自分がiQOSを吸っているのを見て、常連さんが「うちにも同じの買うたんやけど、それ1本1本充電せんでも吸えるんやな?へえー!良いこと聞いたわ」と話しかけてくれる。 1本吸ったら本体ごと充電しないといけないと思っていたらしい。 「私も最初はよく使い方が分からなかったです」とかそんな感じで話が始まり、 「この店、この前も週刊ポストが取材に来てたんやぁ」というような話の流れで、 カウンターの正面に飾られている「Men'sLeaf」を指さし 「あれに私も文章を書かせてもらったんです。今日は友達に教えてもらって来たのですが、 来てみたら表紙のお店だと気がついて、驚きました」といようなことを話す。 「おーそうなんか!どこのページや」「おお、映っとるな、写真、ほんとや、これあんたさんかー」 みたいな感じで話が続いて良かった。 取材の裏話やこの店のお客さんたちの話を聞かせてもらう。 その中の話のひとつで、お店たまに来るあるお客さんが、とにかく酒癖が悪いんだという。 酔うととにかく大声でしゃべる、店の中をあっちこっち行ったり来たりして他の客にちょっかい出す、若い女性に対してが特にひどくて、体を触ったりするんだとか。 取材で来た女性記者の胸だかお尻だかをいきなりわしづかみにしたりもしたらしい。 それで店の大将は当然カンカン。そんなことも何度かあったので、「次こんなことがあったらもう店で飲ませない」と警告したそうである。 そしてその客もシュンとしてシラフでやってきて、もうしません、みたいな文章にサインまでしたのだが、それがまたしばらくして同じような事態に。 さすがに「もう出禁や!出禁!」と追い払われたそうだ。 で、それだけならただの”タチ悪い客がいた話”なのだが、 「へー!それは困ったお客さんですねー」と聞いていると、「まあ、最低1ヶ月は飲まさへんよ」「そや、それぐらいしたらんと」と言うので、「あ、でもまた1ヶ月したら来ていいんですね」と言うと、「そらまあ、あんなやつ、他に飲む場所あらへんやろからなあ」と大将が言うのであった。 お店に迷惑かけるような失敗を何度か繰り返しても一ヶ月したら許すというのが最高だなと感動した。 「二度と来るな!」は拒絶で「一ヶ月来んな!」は指導だ。似ているようで実は全然違う。 「これで少しはあいつも頭冷やすやろ」と語る大将と常連さんの寛大さがなんだかすごく良いなと思った。 生ビール一杯、氷結1缶、おでんの大根と豆腐、それで800円ぐらい払って出る。 出がけに店先を見たら、惣菜パックみたいなのもあって美味しそうだった。 また来なきゃ。 歩いて京都駅へ。 ラーメン食べ逃したままもう夕方だ。 あきらめて帰る。 帰宅後、焼きそばや焼いた肉などを食べ、お風呂で温まったらぼーっと疲れが押し寄せた。 一旦眠って起きて仕事、のいつものをやろうと思ったがそのまま早朝まで眠ってしまった。
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by chi-midoro
| 2017-11-07 15:21
| 脱力
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