ブラックニッカ日々 2018-10-31

朝、慌てて最後の朝風呂へ。
釧路駅方面へ向かうバスまで時間があることがわかり、
湖畔の「ボッケ遊歩道」という散歩道を歩く。
「ボッケ」というのは、別府の「地獄」みたいに、火山ガスが泥の中から湧いているようなものを指す言葉で、高温だからその周りには雪が積もらなくて、珍しいコオロギが生息したりしているんだとか。
木の幹に網が巻いてあって、「エゾシカから守るために巻いています」みたいに書いてある。ここで今向こうから鹿が現れたら、結構怖いな。

ボッケの周りは硫黄の匂いが濃い。それが温泉からはそんなに感じられないのが不思議だ。
弁慶が立ち寄ったという伝説のある足湯があって、そこに足を突っ込む。
絶えず温泉が湧き続けているこの場所は冬はどうなるんだろうか。
阿寒湖が目前に広がり、気持ち良い。一度足を入れると、抜けると寒いので、ずっとそこにいるしかなくなる。
何か、そういう、一度入ってしまうと抜け出せないものの例えに「冬の足湯」が使えそうだ。


土産物屋で「ハッカ油」が売られていて、イッチーが「とにかくハッカ油が最高だ」と言っていたのを思い出す。
実際、肌に塗ったり虫よけにしたり、消臭に使ったり、色々用途があるらしい。
小さいスプレーボトルで1000円するのだが、それがお試しで使えるようになっている。
こりゃあ塗りまくらないと損だろ!と顔面に吹きかけて塗り込んだのだが、
ヒゲ剃った跡がめちゃくちゃ痛くなって1時間ぐらい危機的な状況に追い込まれた。

バスに乗って釧路空港を通って釧路駅へ。
今日、釧路から少し離れた場所にある「ビッグハウス」というスーパーの中の「ジョイパックチキン」というファーストフード店を取材することになっていて、一度釧路駅に出てから、バスに乗って行こうと思っていたのだが、まさに今乗っているバスがそこに停まるらしいことがわかる。「鳥取大通り二丁目」というバス停で下車。鳥取から移住してきた人たちが住んでいたために鳥取という地名になっているという土地である。

バス停の目の前が「ビッグハウス」。入ってみると、平日に昼ということもあり、なんというか、ぼんやりした、怠惰な空気が流れているような場所で、ただ「スパカツ」っていう、ミートソーススパゲティにトンカツが乗ったメニューが有名な「泉屋」というレストランは混んでいる。目的のジョイパックチキンの席には誰もおらず、たまに来るお客さんもほとんどテイクアウトするようだ。

「ジョイパックチキン」は40年ぐらい前からあるファーストフードチェーンで、最盛期は北海道に6店ぐらいあったのが減っていって、最後、釧路に残るのみになった店。ここの「カレーチキン」というのが釧路のソウルフードみたいに言われているそうだ。

事前に取材の許可を撮っていたので、お店の方に挨拶して食べつつ写真を撮る。旨い。鶏肉がそもそもとんでもなく美味い。北海道だからなのかな。新千歳バーベキューで食べた鶏肉もそうだったけど、身がふくよかで旨みが濃いのだ。ザンギとかもそうか。鶏の旨さあってのものだろう。

うめえー!あっという間になくなった!もう1個食える!と思いつつも、釧路駅に行くバスがちょうどもうすぐ来ることがわかり、急いで店を出てバスに乗る。

釧路駅前にはほとんど人の姿がない、スコーンと静かで広い感じだが、駅にはスーツ姿の人が10人ぐらいいて、遅れているらしい電車を待っている。駅内に古本屋があったり食べ物屋があったり、昨日の阿寒湖周辺からすれば都会という感じだ。とはいえ、駅前にもそれほど人はおらず、みんなどこにいるんだろうと思う。

駅近くの和商市場に行ってみる。市場内の魚屋さんで色々な刺身が売られているのを好きに選んで単品のご飯の上に乗っけて食べる「勝手丼」というのが有名な市場なのだが、美味しいのかもしれないけど、色々乗せてると簡単に千数百円になってしまう。市場の人たちも、「どこから来たの!買って行きなよ!」みたいにグイグイ声をかけてくるのでなんか気まずい。サッと雰囲気だけ見て、隣の丹頂市場の方に行ってみる。こっちは青果中心で、静かな雰囲気。誰も何も声をかけてこない。恐ろしくでかいキャベツがゴミ袋ぐらいでかい袋に入って売られている。大阪では見かけない野菜も多くて面白い。この丹頂市場には「魚一」と書いて「うぉっち」と読むラーメン屋さんがあり、釧路ラーメンの中でも有名店らしい。

今調べてみたら、水産加工会社に勤めていた大将が魚醤の旨さに注目し、脱サラ後にラーメン店を開店しつつ、悪戦苦闘しつつオリジナル魚醤を作り出し、その甲斐あってここにしか無いラーメンができあがり、人気が出たんだという。昼時だがすんなり座れた。「魚醤ラーメン」の「あっさり」を注文する。

厨房では大将と、御婦人方3人ぐらいが働いていて、みんな和気あいあい、冗談を飛ばしつつ楽しそうに働いていて、そこからしてすごく良い。「今日はもうたくさん働いたから、まかない大盛りでもらうよー!絶対!あはは」とか聞こえてくる。

それで運ばれてきた「魚醤ラーメン」。割とスープの色味は薄くて、確かにあっさりしてるんだけど、飲んだ時の最後にクイッとなんかコクなのか(そもそもコクって何?)濃い旨みが残る。最高に旨い。こんな醤油味があるのか!麺もプッツリした歯ごたえのあるソリッドな感じで大好き。旨い旨い旨い。最後スープを飲み終わるのが悲しくて仕方ない。チャーシューも分厚いのが2枚入ってて、アサリも入ってて、なんかすごかったな……放心。

近くのセコマで酒を買い、あちこち散策する。釧路駅の線路を越えた反対側にも行ってみる。地下道を越えると、さっきの駅の南側より一段とひなびた雰囲気になる。路地に「鉄北センター」という看板がかかっていて、そこに入ってみると、薄暗い、それこそ中津商店街みたいな古いアーケードのかかった細長い道にスナックや炉端焼き屋がひしめいているすごい通り。その通りが並行してもう1本向こうにもあり、何か所か横道でつながっている。写真をたくさん撮る。「夜にまた来てみましょう」と話す。

「鉄北センター」を抜け、朽ち果てたラブホテルの廃墟とかがある辺りを歩く。再び駅の南側に戻り、調べてみるとコンフォートホテルが安かったのでそこを取って荷物を置き、南の方へ歩いていく。「幣舞橋(ぬさまいばし、っていう読みがどうしても覚えられない)」という大きな橋があり、そこから見る夕日が「世界三大夕日」と呼ばれているそうである。ちょうど日が落ちつつある時間で、すでに空が綺麗に染まりつつある。橋から漁船がたくさん停泊している港が見える。川沿いには「フィッシャーマンズワーフMOO」という建物があり、ショッピングセンターと飲食店が一緒になった大きな建物で、その前のベンチで夕日を見ようと座って酒を飲んでいたら、望遠レンズを構えた老紳士が声をかけてきて、「本当は橋の上から見るのが一番綺麗なんですよ」と教えてくれたので急いで橋の上に戻る。夕日は最後、沈む直前で雲の中に入ってしまい、「真っ赤なまん丸の」っていう感じではなかったけど、それでもじゅうぶん綺麗に見えた。「この人たち今までどこにいたんだ?」と思う結構多くの人が橋の上にいて夕日を見ている。

日が沈み、ショッピングセンターを覗いていくことに。その脇、川沿いに「岸壁炉ばた」っていう、テントの中の居酒屋があり、入ってみたいと思いながら、財布の中身を考えてやめることに。後で見たらまさに今日が今年の最終営業日だったみたいで、行けばよかったと後悔が募ってくる。すごいロケーションの店だった。

ショッピングセンターで売っていた白樺の樹液っていうのを買って飲んでみた。アルコール分の無い日本酒みたいな、ちょっとヨーグルトウォーターみたいな、不思議な味がする。体の中の何かの数値が劇的に回復しそうな気配だけはある。

この辺一帯に炉端焼きの店がたくさんあって釧路名物になっているのだが、その発祥店だというその名も「炉ばた」という店が17時から開くのを待って入る。店内はコの字カウンターで、照明は暗め、コの字の中央におばさんが座っていて網で焼いて出してくれる。メニューには値段が書いてなくて怖いのでおそるおそる「ほっけ」「ほたて」と瓶ビール。貝殻に乗って出される肉厚なほたて旨し。プリプリで食べ応えたっぷりのほっけも旨し。素晴らしい。が、たぶんここは発祥の店だけあってちょっと観光地価格で、きっと別のもう少し大衆的な店の方が色々頼めたかもしれなかった。

まだ18時過ぎだが気分的にはもう21時ぐらいの感じだ。時間が早いからか、歓楽街もまだ静かである。昼間に歩いた「鉄北センター」の方へ向かってみる。片方の道は炉ばた焼き屋とか結構看板に明かりが灯っている。もう一方は、一軒だけ明かりがついている。ハイボール300円と書いたポスターが貼ってあって、それなら安心かと思い、その「鶴」という店に入ってみる。店内はL字型カウンター6席ぐらいの小さな、スナック的な店である。華奢でもじゃもじゃパーマ頭のママの店。ハイボールもらいつつ、本来はお通し千円で色々食べ物が出てくるらしいのを、「お腹が割といっぱいで」と半額にしてもらい、それでもカボチャの煮たのや酢の物など出してもらう。

色々お話を聞く。まずこの「鉄北センター」はもとはショッピングセンターで、喫茶店とか靴屋とか、そういう店が立ち並ぶ一角だったのが、みんな立ち退いて居酒屋ばかりになっていき、こっち側の通りはこの「鶴」しか営業していないんだそうだ。反対側の通りにある店について聞くと、「あんまり良い店ないわよ」と、あまり好きじゃないっぽい。また、和商市場は観光客目当てで、大したことないスカスカのカニを高い値段で売っていたりするからやめた方がいいという。あとさっき行ってきた「炉ばた」は昔は良かったそうなのだがやはり観光客目当ての店となり、値段も高くなり、地元の人は誰もいかないのだという。「どこに行くのが正解なんですかね」みたいに聞いてみたが、「釧路には行くところがないのよ」と言う。酒はみんな家で飲むと。あと、不思議なもので、雪が降ってグッと寒くなると、みんな店に来出すんだそうだ。「なんか興奮するんでしょうね」とのこと。今は日本シリーズをみんな家で見てるからお客さん全然いないそうだ。

ママは釧路生まれで絶対釧路なんか出てやる!って思っていたけど、「気づけばずっと釧路」と言う。札幌へはここから電車で4時間以上かかるから滅多に行くような場所ではなく、かといって釧路にはオシャレな服を売るような店がまるでないので、オシャレな服を買う時だけ、デパートのある帯広まで行くんだそうだ。それでも2時間ぐらいはかかるという。北海道のスケールよ。

「市場で買ったらこんなので千円ぐらい取るわよ。そこら辺のスーパーで買った方がいい」というシシャモを焼いて出してくれた。お腹いっぱいだったが食べてみると確かに外はパリパリして中身はふっくらして旨い。

ハイボールをおかわりし、ご常連らしいおじいさんが入店し、しばらくしたところで店を出る。地下道では、制服姿でウサギの耳をつけたような女の子が二人いて、男子生徒が写真を撮っている。SNSになんかするハロウィンのなんかなのか、よくわからないけど、地元の若い人を初めてみたような気がした。

セコマの焼酎とセコマの茶で作ったお茶割りを部屋で飲んで寝る。

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# by chi-midoro | 2018-11-06 21:28 | 脱力

ブラックニッカ日々 2018-10-30

今日から釧路。
8月から関西空港ー釧路空港のPeachの路線が就航し、記念セールで往復1万円ぐらいでチケットを売っていて、みゆきさんと行きましょう!とそれを勢いで取っていた、その日が来た。
チケット代はクレジットで払っているからもういいのだが、宿泊費だとか足りるかわからん。
少しだけ原稿料が入っていたのを下ろしてなんとかする。

10時発の便なので7時過ぎには家を出る。
8時半頃に空港に着き、酒飲んだりして余裕を持って出発時間を待つ。

向こうは相当寒いんじゃないかと思ってリュックの中にフリースを詰め込んできていてそれがかさばる。
12時ぐらいにはもう着陸。下降時、少し揺れる。
そういえば昨日、インドネシアでLCCが消息を絶ったというニュースがあったのを、見てみぬふりしていたんだった。

空港に着くと、なるほどいきなり寒い。10度ぐらいだろうか。フリース早速着る。
もうこれを着てしまったら、あとはもう暖かい服はない。

空港の売店で缶ビールを買い、阿寒湖までバスで行く。
白樺の木だろうか、葉の落ちた細い木がずっと遠くまで立っている。
ザ・北海道という感じの広漠とした感じの風景。
バスの車両が古いのか、路面のでこぼこがタイヤを通じてダイレクトに車体を揺らす。
すごいバウンドして肘をぶつけたりする。

1時間ぐらい乗って道の脇に川が流れているのが見えだして、阿寒湖が見えてバスターミナルに到着。
バスターミナルにセイコーマートが直結している。久々のセコマ、嬉しい。

お腹が減っていたので、「食事の店あずさ」という食堂へ。
味噌ラーメンを食べる。野菜がたっぷり入っていて、ニンニクが効いていて旨い。
麺にコシがあってちぢれていて、北海道の麺という感じ。これが好きなんだ。
おそらく別にこの辺りじゃ、惰性で食べるぐらいの普通のラーメンなのかもしれないが、
自分はこういうのがずっと食べたかった気がする。

食堂に貼ってある阿寒湖遊覧船のポスターを見ると、間もなく今日の最後の便である15時発の船が出るようだ。
お会計時に乗り場をたずねると割引券をくれた。

言われた通りに道を折れたら湖がもう目の前。船の乗り場もすぐだ。

歩いていてすれ違う人たちはほとんどが海外の人で、
中国の人が多い感じだ。
薬局に入ったら、中国語が併記されていたので、多いのだろう。
遊覧船に乗る人たちもほとんどが中国の人だと思われた。

阿寒湖を80分かけて周遊する船で、オープンエアのデッキ席もあるがそこにずっといると寒い。
室内にはテーブル席と座敷席がある。
座敷席に座ってカップ焼酎を飲みながらぼーっと過ごす。
湖畔に尖った山がある、その形がかっこいい。

阿寒湖といえばマリモ、と定型フレーズのように知ってはいるけど、マリモがなんなのかわからない。
船内のアナウンスに耳を澄ますと、阿寒湖の中でも一部のエリアにしか生息していないそうで、
もともとはバラバラの藻だったものが、湖底の水の動きによって球状に集まってできていくものらしい。

眺めの良さそうなところでデッキ席に出ると、中国の人たちに写真撮るのを頼まれる。
みんな陽気な感じで、「お返しに撮ってあげようか」みたいにジェスチャーで言ってくれる。

湖の中に「チュウルイ島」という小島があって、そこに「マリモ展示観察センター」という施設がある。
船がそこに泊まって、しばし展示を見る。
マリモ、ものによっては30cmほどにも成長するそうで、ある時、崩れまたバラバラになっていくようだ。
なんか良い。
アイヌの人々の間でも神聖なものとして珍重され、儀式にも使われていたそうである。
島から見た湖の景色をできるだけ記憶に焼き付けるようにして再び乗船。
湖畔にエゾシカとかキツネが現れる時もあるみたいだけど、いくら目をこらしても見えず。
そう簡単にはいないか。

乗り場に戻るともうだいぶ日が暮れている。
バスセンターの向かいにある神社に賽銭を投げ、
さっき通りがかって気になっていた「まりも豆腐」というのを売る豆腐店に。
まりも豆腐は、水風船みたいなものに入っている丸い豆腐で、
抹茶が練り込んで緑色にしてあるそうだ。
1個100円だというので、「1個ください」と言ったら、
「エアが入ったのがあるから」と5個もビニールに入れてくれて、
100円を受け取ろうとしない。「エアが入ったものだからいいよ」と言うが、
「いや、それは、いや」と100円を差し出し続けていたら「じゃあ100円だけもらいます」と受け取ってくれた。
お得過ぎる。

オーソドックスに醤油をかけて食べるのが一番いいらしいので、
醤油をどこかで買うかーと思っていたら、その後にチェックインした近くの宿のおかみさんが醤油を貸してくれた。
つまようじで水風船をプチッと割って豆腐を取り出し、醤油かけて食べる。
形の面白さとかどうこうを抜きにして、豆腐として素晴らしく旨い。
よく味わうと確かに抹茶のコクがあるようにも思える。

宿の脇の寂れた通りは「まりも通り」、その通りの路地を折れたところにある銭湯は「まりも湯」と、どこもマリモである。

もう辺りは真っ暗だが、「アイヌコタン」というアイヌの踊りが見れたりする施設は遅くまでやっているようなので、歩いて行ってみる。木彫りの民芸品を売る店に入っていくつかキーホルダーなど買い、入場無料の資料館でアイヌの織物とか見たりした後、「民芸喫茶 ポロンノ」という店に入って、名物の「ポッチェイモ」と鹿肉の汁ものと豆が入った炊き込みご飯のセットを食べる。鹿肉は「ユック」、汁ものは「オハウ」というらしい。ユックのオハウ、ということだ。炊き込みご飯は「アマム」といって、鮭の腎臓の塩辛みたいな「メフン」という塩気のある珍味をちょいっと乗せて食べる。

ジャガイモを冬の雪の下で発酵させて作るという「ポッチェイモ」は、シャクシャクっとした食感と独特の濃い風味が特徴で、確かにジャガイモの味もするんだけど全体的に今までに食べたことのない味。みゆきさんは「パンみたいだ」と言っていた。

鹿肉が最高に旨い。この汁もの自体も不思議な味がした。今調べてみたら昆布ダシに塩で味をつけてるだけらしいのだが、肉から出る旨みなのかおかわりしたくなる味。ご飯と「メフン」もめちゃくちゃ合う。沖縄のヤギ料理とか、自分にとっては「うーん、珍味」っていう感じでちょっと苦手なのだが、今回食べた色々はすんなりと美味しい。今風にアレンジされているのかもしれないが。

再びバスセンターの方に引き返し、「まりも湯」に寄ってみる。この前シカクで買った「ひなびた温泉パラダイス」という本にもこの銭湯が出て来て、気になっていたのだ。貸しタオル無料。入浴料500円。源泉かけ流しで、この辺りの温泉は神社から湧いていると書いてあった。湯舟はそれほど大きくないが、湯が熱くて、体が冷えていたから気持ち良い。マリモに見立てた木の玉を浮かべて入ってね、みたいな風な説明書きがあって、そのようにして入る。

番台のお母さんは車かバイクで来た者だと思ったらしく「これからどこか行くの?今日は道路にシカが出ているらしいから気をつけないと、ああ、今日は行かないの?それがいいですよ」と教えてくれる。「今日は寒いでしょう。昨日あたりから急に寒くなったんですよ」とのこと。

「まりも通り」脇に「炉端 浜っ子」という居酒屋があって雰囲気が良いので、一杯だけと思って飲みに入る。この店は、「狙った恋の落とし方。」という中国で放映された人気ドラマのロケ地で、ドラマ内で美人四姉妹が働く居酒屋になっていたそうなのだ。というか、その「狙った恋の落とし方。」の大ヒットこそが釧路に中国からの観光客が増えた要因なのだとか。聖地である。

聖地であるが、聖地感は全然なく、寡黙な大将と、穏やかそうなお母さんが二人でやっている渋い店。さんまとシイタケを焼いてもらい、チューハイを飲む。さんま旨すぎる。シイタケ旨すぎる。ただ焼いただけでこれだもんな。自然の力、偉大なり。

満喫して宿に戻り、セコマで買った酒を飲む。
宿のお風呂も源泉かけ流しで、誰もいない貸し切り状態。
ここのお湯は硫黄感が薄くて、温泉っぽい香りがしたりぬめりがあったりはしないサラッとしたものなのだが、なんかでも芯から温まるような、まあ、気持ちの問題か。とにかく好みである。

もったいなくて2回入って寝る。

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# by chi-midoro | 2018-11-06 16:13 | 脱力

ブラックニッカ日々 2018-10-29

この前、長居の植物園のショップで見かけた森山徹「ダンゴムシに心はあるのか」を読んだ。
まず、この本の中での「心」の定義として、
例として出ていたのが、誰かに対して自分が平身低頭して謝っている時、
「すみません!」と頭を下げながら、同時に背中が痒かったり、
空腹を感じていたりトイレ行きたかったり色んなことが体の中では起きている。
そういう欲求を抑えて「謝る」という行為を最優先しているのだが、
その抑制されている、隠れた内面を指す言葉が「心」だという。

ダンゴムシには「ある時点の転向方向が、その直前の転向方向の反対になる」という習性があるという。
ダンゴムシが真っ直ぐ歩いていて壁にぶつかり、右に曲がったとして、次に壁に突き当たったら今度は左に曲がる。
このジグザグ歩行は、外敵とか地形的な不利とか、色々なピンチから逃げるための習性で、
根本的にはほとんどの動物に備わっているものらしい。危機から逃げて生き延びようとするための。

で、そういう習性があるのだが、通路の一部が回転するような仕組みを作って、その習性がうまく活かせないような状況を作る。
すると20匹ぐらいで実験したうちの3匹ぐらいが実験通路の壁を登り出す。
未知の状況が、通常のダンゴムシの動きには表れにくい行動を呼び起こした。
あと円型のステージで周囲にお濠のように水路が囲んでいる実験台にダンゴムシを置くと、ほとんどは水路に沿ってぐるぐる回るのだが、数%の個体は水の中にあえて飛び込んで向こう側にたどり着いた。ダンゴムシは水中に長くいると窒息してしまうので、この行為はほとんど自殺行為的なものらしいのだが、そうするやつが現れる。

その結果から、筆者は、ダンゴムシには習性だけ割り切れない隠れた内面があると考え、ダンゴムシに心があると証明する。

読んでいて、どうしてもその心の定義がしっくりこなくて、でも心のイメージに新しいものが加わった感じがして面白かった。
表に見えない部分が心だという。だから石にも心があると言える。ある時、石がパカッと割れる時があったとして、それまで割れない状態を保っていた何かが石の中にあるはずだからだ。ってこうやって書くことはできるけど、なんだか自分でも分からない。分からないけど面白い。

あと、これは本の主題とは関係ないけど途中で認知科学の辞典で「道具」という言葉を引くところが出てきて、それによると「道具」は「一定の効率の良いやり方が選択されやすいように工夫される外的支援であるが、その場の目的に合わせて即興的に利用されることも多い」と定義されるんだという。なんかこの回りくどい言い方が面白い。認知科学の辞典で色々な言葉を調べてみたい。

昼からシカク出勤。いつものように新商品の登録作業など。

夕飯は鍋。

「ローンサバイバー」という映画を見る。米軍の特殊部隊がタリバンの指導者を殺害すべくアフガニスタンの山岳に乗り込む。遠くから狙撃できる銃(どうしてもスプラトゥーンを思い出してしまう)で指導者を狙うのだが、待機中に羊飼いに遭遇してしまい居場所がバレる。主人公含む4人のチームで潜伏していたのだが、そこに対して100人ぐらいのタリバン兵が追いかけてきて、そこからずっと戦いながら逃げ、山を転がり落ち、米軍側も相当頑張るんだけど徐々に仲間がやられていって最後一人だけ生き残る。近くの村人にかくまわれるのだが、その村にもタリバン兵は追ってきて、戦闘状態になるのだが、村人はなんとか主人公を守ろうとする。「傷ついた旅人にはどんなことがあっても、そいつがどんなやつでも手厚くしてやれ」というような村の掟があり、それに順じたのである。おかげで主人公はすんでのところで命拾いする。っていう実話がもとになった映画。とにかくずっと戦闘状態の緊張感で、あと、痛そう。途中から笑えてきて「もう諦めろ!」と思うほどの危機。そんな中でも米兵たちは前を向き、決してあきらめずに戦う、っていう国威発揚的なところが随所にあって、米軍最高!タリバン最低!っていう感じがゴリゴリで、素直に見れなかった。途中、主人公が足に刺さった金属片をナイフで掻きだす、みたいなシーンが長めにあったのなんだったんだ!

今日は全然仕事せず寝る。

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# by chi-midoro | 2018-11-06 13:06 | 脱力

ブラックニッカ日々 2018-10-28

今日も昼近くに起きる。
昼は前に山形から送ってもらった「鳥中華」の乾麺。
小松菜を煮てゆで卵も作ってちゃんと食べた。

ゴロゴロしながら漫然とゲーム。
夕方からようやく少しずつ仕事始める。

いよいよ本当にお金が無くなった。
残高ゼロ。

今日は心斎橋のサーカスで、DJ FUNKとDJ DEEONが来るイベントがあって、
特にDEEONは初来日らしく、次はないかもっていう感じみたいで、
絶対見に行きたいと思っていたのだけどこのザマである。
ガキさんが行くらしいので感想を聞かせてもらおうと思って諦める。

重要な、行くべきイベントなのによ、あーあ、ダメだ。嫌だ。と気持ちが落ち込んで、
ボーイズにはここ数日スパゲティやそうめんみたいなものばかり食べさせており、
なんかせめて夕飯だけでも美味しいものをと思って、リクエストないかと聞いたら「すき家」と言う。

引き出しから2千円だけあったのを持って、ボーイズ2人と俺の三人で行く。
上のボーイが「うな丼食べたい」と言う。780円もする。やめてもらう。
「じゃあ鉄火丼」と言う、それは680円。「マグロたたき丼なら580円だからそれにして」と言うが「嫌だ」と言って泣き出しそうなので、自分が食べたかったキムチ牛丼に豚汁がついたセットをまず「並」から「ミニ」にすることにして、下のボーイが「カレーにチーズトッピングしたい」と言っていたのをやめてもらう。それで色々組み合わせて、というか、メニューを開いてからかれこれ10分ぐらい経っている。税込みなのか税別なのかわからず、税別ならアウトだとか思いながらギリギリの線でみんなの要求と自分の要求をすり合わせ、店員さんに注文時に「これとこれとこれお願いします!ちなみにいくらになりますか?」と事前に確認し、「1810円です」と言われたので、「なんだ足りた。40円のチーズ、トッピングできたな」と思ったが下のボーイは「もういい」と言う。
上のボーイには「鉄火丼、旨いかもしれないけど、すき家は牛丼屋だから!牛丼が一番お得だから。鉄火丼食べたいなら、別のところで食べる方が安いから」とか色々言っていたら、近くのテーブルの家族に「こんばんはー!」と挨拶され、誰だか分からなかったが「こんばんは!」ととりあえず返し、なんとも情けない場面を見られたかもなと恥ずかしい。

金が無いとこうである。行きたいイベントにも行けず、牛丼の「並」が食べられない。泣きそうな気分になる。

部屋に戻って焼酎飲み、みんなでお風呂に入って寝る。

起き直して仕事。
ようやく集中できて夜中までやる。


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# by chi-midoro | 2018-10-29 10:38 | 脱力

ブラックニッカ日々 2018-10-27

昼近くに起床。

中野のタコシェでいましろたかしフェアみたいなのがあって、
どうやらいましろさんが静岡に引っ越すことになったそうで、その資金集めのために色々私物や原画を放出するというものらしく、
原画も売られたりするそうで「うおー!行きたい」と思っているところに、
こまんたれ部さんが初日の開店早々に行ってくれることになった。

「こんなのとこんなのがありましたー」と教えてくれたのからいくつが選ばせてもらって立て替えて買ってもらう。
すごく良い感じの原画も買えて、なんともありがたい。部屋に飾ろう。

今日はなんとなく、仕事しなくていいんじゃないかという気がする。
なのでずっとゴロゴロ。
昼は余り物野菜を炒めてお茶漬けの素と和えたパスタ。

図書館から、予約していた本が届いたとメールが来て、それを受け取りにいく。
9冊も一気に借りてしまって読める気がしない。
最近、本を読む集中力が薄れてきている気がするのでますます読めなそうである。

夕飯は「世界のごちそう博物館」の「ムアンバ」というシチューにする。
ガボンという国のもので「鶏肉とトマトのピーナッツシチュー」と書いてある。
ご飯にかけてシャバシャバッと食べる。旨くて1分で食べてしまった。

寝て起きて何するでもなく部屋で酒。
今日も酩酊し、メテオさんが動画配信しているのを見ていたらPUNPEEさんに電話をかけていて、
二人の会話がなんか心地よく、気づけばそのまま寝ていた。


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# by chi-midoro | 2018-10-29 10:18 | 脱力